「三都物語」というとJR西日本のCMで京都、大阪、神戸を挙げていた記憶がある。
神戸には平清盛が遷都した福原京があったものの、古都とは言い難い。大阪には難波宮と難波長柄豊碕宮があったという意味では都ではあったし、明治期に大阪遷都案というのもあった。京都は言わずと知れた平安京が1000年もあったのだから文句なしの古都。
ではなぜ奈良が入らないのだという話で、奈良にもJRは走っているものの、中心路線は近鉄になっている。JRで奈良に行くのはやや面倒なので、外されたといったところか。
そんなわけで前置きが長くなったけど、京都に行った翌日は古都・奈良を見物することにした。
天気は冷たい雨。
薬師寺は近鉄西ノ京駅からすぐ。薬師寺は天武天皇が妻(後の持統天皇)の病気快癒のために建立したものとされる。戦乱で金堂や西塔は消失しているが、今は再建されたものが建っている。
父親が「薬師寺は商売上手や」と語っていた。奈良市街と比べるとやや立地は悪いが、この規模を維持できるには営業努力がいろいろ必要なのだろう。
薬師寺のお次は唐招提寺へ。薬師寺から数十メートルしか離れていない。
こちらは鑑真和上が建立したことが知られている。唐から渡ってきた盲目の僧である。
「商売上手」とされた薬師寺と比べると渋い印象だ。中は重厚と言える。
最も有名なのは乾漆像の鑑真和上像だが、こちらは公開されていないので「身代わり」のみ見ることができた。
2回出場した奈良マラソンが懐かしい。あれも12月でかなり寒かった。
最後は奈良国立博物館で、お水取りと仏像の展示を見学。奈良・吉野の金峯山寺にある金剛力士像が展示されていた。
東大寺南大門の金剛力士像以外はどこか物足りないと感じていたのだが、金峯山寺のものもなかなか立派だ。さすが古都、さすが奈良なのだ。
やはり古都には奈良が必要なのである。