世間は大型連休と言っている中でバタバタしている。楽しみは次の旅行の計画を練ることとわずかな隙間時間にYouTubeを見るくらいで、生活に割く時間は極限まで減ってきた。
YouTubeはテレビなんかと比べて10分くらいで見られるものが多くていい。最近、相方がハマっているのはRABの動画で私もちょいちょい見る。RABは「リアル・アキバ・ボーイズ」というブレイクダンスのグループで、アキバの名のとおりアニメオタクが共通項というメンバーで構成されている。
オタク文化などに一切興味のない相方なのだが、「みんな真面目なところがいい」とのこと。オタクは真面目じゃないと務まらないのだ。
私自身は特にアニメオタクでもないし、漫画もほとんど読まないのだが、中学高校時代は周囲にオタクがたくさんいた。そのおかげで声優さんのラジオを聞いたりと、少しはオタクに理解がある方だと思う。
その「オタク」を観察していて思うのは、オタクとマニアは少し違う。オタクもアニメに熱中しているのに過ぎないのだが、アニメはあくまで作者の作った架空の世界だ。
その架空の世界で遊ぶのは、狭い覗き窓から作者の脳内に広がる世界を想像して、自分で押し広げるしかない。ここのキャラクターの性格や私生活まで妄想を広げて、「きっとこの子はこういうことをしているに違いない」と勝手に確信してしまう。
所詮、アニメーション上で見えている世界には限界があるので、同じところにとどまっていては飽きてしまうのだ。
限られた情報で、深く長く遊ぶことができるのがオタクの特徴なんじゃないかと思う。
話は変わるが、現在ChatGPTやBingなどの生成系AIと呼ばれるものが話題になっている。
使ってみると、なるほどよくできている。
これまでのソフト翻訳などと違って、しっかりとした文章ができている。シンギュラリティなんていう大袈裟なものではないが、下手に人が書くよりまともなものができそうだったりする。
こうなると人間のやることは一層考え直さなくてはならない。何しろ言語と無限ともいえる情報を扱える機械ができたのだから、情報をまとめるだけなら人間が勝てるわけがない。
そこで、これからの世界で必要となるのがオタク目線である。
人間の脳が暗記したり、処理できる情報量など限られている。むしろ限られた情報だけで創作できるのが人の特徴といえる。小さな覗き窓から深く世界を見通すことができる能力。これからはその真価が問われるのだ。
オタクがこれからの未来を築く。そう考えると未来が少し前向きに考えられるかもしれない。