クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

北見の焼肉の味~2023北海道食旅②

「思い出の味は何ですか?」と訊かれたら何と答えよう。

私にとってはアメリカでのわずか10ヶ月の体験が強烈だった。ただ、その時の思い出の味はサラミのピザかケンタッキーフライドチキンのホットウィングだ。

食通たる日本人ではあるまじき記憶しかない。

さて、帰国してからというもの、父親の幼稚な味覚に付き合っていると、思い出の味はバーベキューということになる。バーベキューが幼稚かというと議論はあるが、わが家のはアメリカで、買ったお釜型のバーベキュー台に炭を載せ、ひたすら肉を焼き、市販のソースで食べるだけなのだ。

そんな家庭に育った私なので、ご馳走といえば真っ先に焼肉となる。

 

北海道では「魚だ!蟹だ!」と騒ぎたいのも山々だが、北見は焼肉の街。

北海道2日目、北見に宿を取ったのは焼肉を食べるためだった。

さて、今回も2年前に行ったのと同じ店に入った。

「五段盛」というメニューを注文する。何が五段かと思ったら特殊な階段状の板が出てきて、分厚い肉が一段ずつ鎮座している。2年前に狂喜したほどのお得感はややなくなっているものの、東京で注文するよりはるかに安い。これで2400円とかだった。

食べると極上。わかりやすく美味い。

わが父なんかもこのわかりやすい美味さが大好きなのだ。

結局、この五段盛とタン塩、ミノ、ラムと注文し、さらにビビンバを2人で分けて大満足。

北海道は開拓使の歴史からか、どこに行っても量が多くていい。登山を旅と組み合わせないと食べすぎになること請け合いである。

北海道は魚介もいいが、肉もいいのだ。