クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

北海道の回転寿司の実力~北海道を巡る食旅⑥

北海道の実力で未だ試せてないものがある。「寿司」である。

寿司、まあ標準的にイメージするのは江戸前寿司で、酢飯に生の刺身を載せたもの。もともとは気の短い江戸っ子がそのままネタを載せただけのものを食べてしまったのが始まりで、本来の寿司は発酵食品である。

それはともかく今や寿司とは専ら江戸前を指すので、魚の鮮度が命。なればこそ北海道での回転寿司については否が応でも期待が高まっていた。

 

羅臼岳から羅臼に下山したわれわれは路線バスで釧路に行った。実に4時間以上の旅。荷物をホテルに置いて寿司探しに向かった。

しかし、駅の周辺をいくら探しても寿司はない。というか日曜日のせいか開いている店がない。釧路駅根室、網走への分岐点であり、交通の要衝とばかり思っていたが、今はイオンモールなどが建ち並ぶ国道沿いに集客を奪われているらしい。駅から30分歩いてようやく「なごやか亭」というチェーン店ぽい回転寿司を見つけることができた。

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北海づくしの3巻

回転寿司はまあまあ混んでいて、店内は若い店員が多くて活気に満ちている。回転寿司ではあるが、回っているネタは限られているので、紙に書いてカウンター越しに渡す方式がメインのようだ。とにかく北海道産を狙って注文する。

まずは筋子、サンマ、あともう一つは忘れたが、北海づくし。やはりサンマが美味い。まだ時期ではないので完全な生ではないが、東京ではない味。相方は再びサンマだけを注文していた。

 

お次はメンメ。本州で言うキンキである。高級魚になるけど、北海道に行ったのだから食べなくてはならない。

変わり種としてクジラの頬肉。臭みと旨味がなかなか癖になりそう。『英国一家日本を食べる』で筆者が「クジラがあまり美味しくなくて安心した(クジラを食べなくて済むから)」てなことを書いていたが、きっとこれを食べたら困惑するだろう。

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クジラの頬肉

あとはホッキ貝、つぶ貝、ホタテの貝づくし。

まるで見栄えはしないけど、これも北海道ならでは新鮮。

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貝づくし3巻

 2人で9皿ほど食べて3000円くらい。一皿は100円から350円くらいで100円寿司に比べて高いが、まあネタがどれも大きいのでなかなか満足である。

東京の回転寿司より高いが、店員がしっかり握っているようだし、回らない寿司より安いという意味では北海道の食の楽しみとして行ってよかった。寿司を食ったら腹ごなしということでわれわれはその後何もない平原、釧路湿原を見に行った。