クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

無人島に持って行くモノ

無人島に一つだけ持って行けるとしたら、何を持って行きます?」

あまり意味のない質問ながら、よく使われる。正直これで何が知れるのかわからないし、トークテーマとしてあまり盛り上がっているところを見たことがない。

ただ、ほぼ初対面で話さなくてはならないとなると便利なテーマだったりする。

私が有名になって、どこぞのメディアからこのトークテーマを振られたらと夢想して考えてみよう。

どんな島かわからないのだから水が確保できなかったら1週間ももたない。食料にしても素手で確保するなんてできない。釣り道具か銃が必要だし、獲物を解体するにはナイフが必要。

真面目に考えるとあっという間に話が詰んでしまう。こういう時はできる限り自分にとって都合のいい設定にしなくてはならない。

その無人島には野生のフルーツや食べられる野草が生えていて、おまけに常夏なのでごろ寝ができる。入り江には魚がウヨウヨいて、水たまりには迷い込んだ魚がいつでもいて、手づかみで簡単に獲れる。焚き火はなぜか最初からあって、その辺の流木をくべておけば消えることはない。

このくらいの環境で「さあ、一つだけ何を持って行く?」と考えなくてはならない。

 

私なら本だろうか。一つとなると難しい。ライトな小説なんか選んだらあっという間に読み切ってしまう。去年、北アルプス・雲ノ平で捻挫して一日テントに籠って本を読んだ。持って行ったのは笹本稜平『春を背負って』。ページ数のわりに中身が軽い本なので瞬く間に読み切って困ってしまった。

かと言って重厚な小説というのも苦痛だ。以前、ドストエフスキーの『罪と罰』に挑戦したが、退屈な文章は続くし、暗いしで主人公が老婆を殺すシーンまでも到達できなかった。

この際、『聖書』とかどうだろう。2000年読み継がれるには理由があるだろう。アルフレッド・ランシング『エンデュランス号漂流』でも聖書を船に取りに帰ろうとしたシーンがあった。しかし、中学時代に学校で読まされた身(カトリックの学校だった)としてはあの訳語文体やキリスト独特のレトリックが苦手なんだな。

 

そんなこんな、いろいろ考えた末出た結論。

百科事典。できればWikipedia並みに詳しいものがあればいい。

そんならスマートフォンを持っていけばいいじゃないかと言えるがが、無人島にインターネット環境があったら無人島から脱出できてしまう。そこはあまり無粋なことを言わないでほしい。