クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

スーツケースと機関銃

久しぶりに研修だというので着替えをバッグに詰め込んで家を出た。この暑いのに上着がいるというから、普段の通勤リュックでは入らないのだ。

バッグはいつものダッフルバッグである。

 

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仕事・スーツというのにはダッフルバッグはそぐわないかもしれない。ただ、それしかないのだ。

スーツでの出張にはやはりスーツケースとなる。ところが最近は普通の旅行でもスーツケースが増えていて、空港に行けば機関銃のようにドッドッドとスーツケースの音が響き割っている。

家の近所でも早朝から静寂を打ち破るドッドッドの音。いつからスーツケースが旅の主役となったのだろう。

 

宮田珠己さんが、「かつてのバックパッカーはスーツケースなど持たなかった。それは、宿探しでスーツケースを引っ張って歩くのは不便だからだ」と書いていた。今はネット予約でその日の宿が取れるので、宿探しに奔走する必要がない。スーツケースが台頭してきた理由はそれじゃないかという。

なるほど、私のように駅でも空港でもパッパカ歩きたい人間はともかく、みんなスーツケースをゆっくり引っ張れる時代になったのだ。全部スマートフォン1つで予約してしまえば、衣類をスーツケースにしまって皺一つないシャツで過ごせる。

これぞ現代の旅なのだ。

そうと知りつつ、私は予約なしで衣類もテントもバッグに投げ込んだ旅を今も続けている。