クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

ヒルズ族と熱海

研修で昨日から熱海に来ている。

熱海と言っても山奥に隔離されているので、実態は病気療養か何かと変わらない。散歩をできる場所もないので、毎度どうしようとなる。

熱海には十数年前に初めて来た。関東圏の観光地というイメージだったのだが、寂れた感じが目に付いた。

時間を潰そうにも本屋は昭和の風情を残した雰囲気で、なぜか店頭に団鬼六が出てきそうなエロ小説が積んであった。歩き回っても干物の臭いが漂うだけで、何も面白いものはなかった。

そんな熱海なのだが、大前研一さんの本を読んでいると、ヒルズ族に非常に人気だったという。忙しいIT長者たちは週末に新幹線でパッと行って温泉に入り、サッと帰れる熱海は利便性に優れているという。

ほほぉ、IT長者も温泉に入るのか(そりゃ入るだろう)。裸で入るのだろう(当然)。

なんだかヒルズ族と熱海の温泉というアンバランスがなぜか面白い。

それにしても私のように登山と温泉とか、川遊びと温泉とか、アクティビティを組み合わせたい人間からすると、温泉だけ入りに行くというのは少し味気ない。もちろん温泉だけ数時間も入り続けるわけにもいくまい。

そうなると熱海で何をするのだろうか。

私には『金色夜叉』の1シーンを再現した、女を蹴飛ばしている像を見に行くくらいしか思いつかない。