ここのところランニングばかりで「山」が不足していたので八ヶ岳に行って来た。
かつて、と言ってももう50年以上前は谷川岳が「近くて良い山」と評された。谷川岳は最寄りの土合駅からすぐ登りに行けるし、土合駅は昔から無人なので夜行列車で着いて駅で泊まれる。そして、一ノ倉をはじめとしたクライミングスポットが溢れている。
ところが今は交通網が発達して代わって八ヶ岳が「近くて良い山」のポジションに収まっているような気がする。通年で小屋が営業していて(赤岳鉱泉)、中央道を使えば車で行きやすい。
かつての八ヶ岳と言えば、新田次郎『孤高の人』で主人公が足を凍傷で半分失うという山でもある。実際、この小説は芳野満彦という実在のクライマーがモデルとなっており、八ヶ岳で遭難して凍傷を負っている。
関東に住む人としては近く、かつ近寄り難い山だったのが八ヶ岳だ。
最近、バスの本数は減り、テント場も値上り、山小屋も賑わいが薄れているようだが、冬にパパっと行けるところも少ないので山不足解消に行くこととした。
(つづく)