この前に遭難の話を山梨の百蔵山・扇山登山ではのんびりした。
その前の白毛門登山では、始発で家を出てマッハで乗り換え、マッハで土合駅を駆け上がり、マッハで登山道に入って、下山もマッハ。登山口から駅までは走った。
今回はゆっくりしたいと相方からリクエストがあったので、頂上でランチをして下山した。
丸太のベンチの上でまずは魔法瓶を出し、インスタントコーヒーを淹れる。
コーヒーを飲みながら富士山を眺める。この黙ってコーヒーを飲むことが最近はできない。今はカフェでも飲むときだけマスクをつけてくださいと言われる時代だ。
落ち着いたらバックパックからホットサンドメーカーとパンとストーブを出す。ホットサンドメーカーにパンを挟み、ストーブに火をつける。パンの焼ける香ばしい匂いが漂うとひっくり返し、反対の面を焼く。
ホットサンドは山頂でのかなり贅沢なご飯に該当するが、いかんせん季節が限定される。寒いとすぐ冷めてしまうからだ。
去年の11月にも赤城山で食べたが、この時はダウンジャケットを着て凍えながらだった。
こうなると汁物、ラーメンあたりがいいということになる。ただ、いつもいつもラーメンじゃ飽きるし、作る楽しみがない。
過去、山は旅の延長と考えていたので、前日に作って冷凍したハンバーグを持って行ったこともあった。この時は八ヶ岳でMSRのガソリンストーブで、米を炊いてハンバーグを焼く(というか温め直す)という独り極上キャンプを楽しんだ。
隣でレトルトパスタか何かを食べていたカップルが、「すごいですねぇ」と覗き込んだくらいだ。
独りでこんなことに悦に入れるのは若かったからに違いない。
冬の八ヶ岳・赤岳鉱泉ですき焼きをごちそうになったこともある。
この時は同行者に用意してもらった。すき焼きをつついていると、国際宇宙ステーションを見ようとおじさんが立派な望遠鏡を携えて外に出てきた。
味以上に山という空間と雪景色の中のすき焼きというシチュエーションが印象に残っている。
人生で食事のできる回数は限られている。できるだけいいところで楽しく食べたい。