先日、相方が働いている小学校の生徒にこんなことを訊かれたという。
「ねえねえ、医者とパイロットでどっちが儲かるの?」
家でそんな会話をしているのだろう。
相方は「人によるんじゃない」とはぐらかしたようだが、統計上は結果が出ている。2022年はパイロットが1600万円で、医師が1400万円なのだそうだ。
しかし、「それじゃあパイロットになろう」となるのだろうか。
パイロットが非常に責任の重い仕事であることは先日の日本航空の事故を見ても明らかだ。燃え盛る飛行機から乗客を逃がし、自分は最後に逃げ遅れがないか冷静に確認するなんてなかなかできることではない。
自分がパイロットだったらと考えるだけで...ぶるぶる。
私にはパイロットの知り合いはいないが、医者になった友人はいる。その友人の話を聞いていると、医者の年収が高いのにも大いに納得できた。
医師免許には若葉マークももみじマークもないので、医師として病院に赴任したらたちまち「先生」となる。このあたり学校の教員と変わらないところなのだが、病院とは問題のある人が訪れる所だから、先生はいかなる問題にも対応しなくてはならない。これが救急搬送ともなると、目の前に原因不明で苦しむ患者が運び込まれたりして、これまた大変な仕事である。
友人曰く、医師免許を取ったからと言ってもいきなり症状を判定できるわけでもなく、最初はノイローゼになるほど苦しかったとのこと。
特に外科医の平均寿命は過酷な労働もあって一般より短いらしい。そうなると年収が高いのも当然だし、余程の使命感がないとできやしないだろう。
親にとってみれば子どもには偉くなってほしい。何をもって「偉い」とするかは問題だが、最も簡便なのは収入であるし、収入の高い職業を選ぶのが悪いわけではない。
しかし、これだけは伝えておくべきだろう。「高いのにはワケがある」