先日の小野川湖キャンプに行く際、車を持たないわれわれは午前7時に最寄駅から数駅のところでピックアップしてもらった。キャンプ場のある猪苗代湖までは5時間ほどで、高速のインターを下りるとすでに正午前。
福島まで行って何を食べるか。それが問題だった。
結局、事前に入念なリサーチなどしていないので友人が探してくれた「食べログの得点が高い店」ということで蕎麦屋に入った。いや、外観はただの農家で蕎麦屋とは思えない。店は混んでいてお店のおばさんが手ぶらで外まで出てきて
「何にします?」
と注文を聞く。メニューは「もり」と「とろろ」しかないらしい。
店(というか家)の横は畑で脇に薪釜がある。その辺にパプリカや大根が置いてあって、店という感じはますますない。店内に呼ばれ、8畳くらいの畳の部屋に腰掛けると、注文したもりそばが出てきた。
野菜のお浸しと山菜天ぷらが付いて1000円。とろろ付は1100円。
蕎麦は手打ちらしく腰があってなかなか。そして山菜の天ぷらがなんとも絶品である。菊の天ぷらは初めて食べたが、なんとも言えないほろ苦さが蕎麦に合う。その他、かぼちゃも甘いし、しし唐や小さなシソくらいの謎の山菜も美味い。
店名はあえて書かないが、猪苗代インター近く。農家の並ぶ少々わかりにくい場所にある。
キャンプからの帰り、西吾妻山に行った。結局、碌に準備もせずに登ったので、空腹から途中下山するという山屋にあるまじき登山をし、とにかくどこかで昼食を取ることにした。
福島で何を食べるか。私の脳裏に浮かぶのは喜多方ラーメンくらいしかない。早速友人がGoogle先生に訪ねて入ったのは商店の並ぶ通りにある大衆食堂といった店だった。
私はチャーシューメン。相方はその店のもう一つの名物、ソースカツ丼にした。
ラーメンは醤油ベースのちぢれ麺で、チャーシュー・メンマ・ネギだけのシンプルな構成。スープはあっさりした醤油味で、ザ・ラーメンという正統派の雰囲気。喜多方ラーメン独特のちぢれ麺は初めて食べたが、前日の蕎麦と同様に歯ごたえがあって美味い。
期待したチャーシューはあっさり、そして少しパサついていて今一つだった。
しかし、喜多方ラーメンの実力は想像以上。ラーメンのためにわざわざ行かないが、また食べたいと感じさせる味だった。
たまたま入った福島の蕎麦とラーメンの2店。福島を見直すと言うと大袈裟ながら、なかなか逸品だった。こういうB級グルメこそが日本の食レベルを証明しているのかもしれない。