クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

自分ファーストの生き方

日曜は相方の友人が来た。

40代、女性、独身という人だが、年齢不詳な雰囲気で30代前半くらいに見える。何より話しっぷりがちゃきちゃきしていて、非常に気持ちのいい人だ。

彼女曰く「別に結婚できないんじゃなくて、あえて結婚してない」のだという。独りで楽しめることもあるし、わざわざ他人に時間を割きたくない。時間を割いてもいいと思える男が出てきたら「付き合ってやってもいい」らしい。

気持ちのいいくらい「自分ファースト」を通している。

日本人の気質として自分のためだけに生きていると言い切るのは難しい。

スポーツ選手も必ずチームのために、ファンのためにと言う。チームのためになればファンが増えて、お金が入って、回りまわって自分の給料に還元されて自分のためになるという論法だ。

スポーツはどんなプレイも勝つためにやっている。送りバントしようが、フルスイングしようが、シュートしようがいいようのものだが、なぜかスラッガーがバントでもしようものなら、自己犠牲的と喜んだりする。

ただ、私が今まで出会った人物で、魅力的だと感じる人は少なからず自分本位で、自分のやりたいことを追求している人だった。

さる古い友人はブラックジャックに憧れて外科医になった。ブラックジャックのような無免許医ではなく、真っ当な医師として活躍している。

弟はなぜか哲学を専攻し大学院からアメリカ、日本、イタリア、カナダと渡り、突然アイドルの追っかけをしていたかと思ったら、今度はフランスに飛んで行った。忙しすぎる。

あと山にのめり込んだため、山用品を扱う企業に転職したという人もいたし、仕事を辞めてエベレスト街道2度行った後、カナダでワーキングホリデーへ行ったという人もいる。

 

先の弟は「20代を自分のためだけに使えたのがよかった」と言っている。

蓋し名言だと思う。

翻って私は30代になって好きなことばかりしているような気がする。春夏秋冬、山に入り、自転車ツーリングをし、天気が悪ければ図書館で借りた本を積み上げて読む。

人生の原資は時間である。金は作れても時間は作れない。限られた原資を有効に使う生き方。それは誰にも否定できないのではないかと思う。