クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

未読本

気が付くと本が増えている。そろそろ引越しも考えているので、蔵書整理の時かもしれない。そのうち電子書籍の導入も検討すべきかとも思う。

本も無闇に買ったりしない。基本的に「嵩張らない」「再読する」ものを選んでいるはずだが、なぜか未読のまま手元に残る本がある。

誰も興味はないと思うが、この際なので今現在の未読本を紹介しよう。

 

1,Philippe Petit "The Walk"

綱渡士フィリップ・プティの自伝的ノンフィクション。同題の映画が公開された際に、その活字版として発行された。角幡唯介さんがブログで絶賛していたので洋書で買ってみた。

当時できたばかりのワールドトレードセンターのツインタワーの間にワイヤーを張り、綱渡りをするまでの物語。この事件は「史上最も美しい犯罪」と呼ばれ、世界中で話題となった。

確かにやったかことは面白いのだが。なぜそんなことをやろうと思ったのかという肝心な部分が読み取れない。新聞でワールドトレードセンター建設の記事を見て、「これだ!」と思ったらしいが心中の描写は今ひとつ響かない。言葉にできないとなのだろうか。

結局はなかなか面白いと思うところまで到達せずにビル内を偵察するところでウロウロしている。もう少し英語力があればいいのかな。

 

2,Raymond Chandler "The Little Sister"

これも洋書。村上春樹が日本語訳を出しているので買ったのだが、チャンドラー自身が生前嫌いだと言うとおりなかなかストーリーが進まない。

村上春樹訳の日本語は読んだが、英語版は遅々として進まない。もう日本語訳も細かい点は忘れてしまった。

物語は"sister"が突如連絡の取れなくなった兄の捜索を主人公フィリップ・マーロウに依頼するというもの。村上春樹は登場人物の"sister"の描写を絶賛していたが、場面があっちへ行きこっちへ行きして少し無理がある。もうちょっと我慢してチャンドラー独特の描写を楽しまなくてはならない。

 

3,高野秀行『恋するソマリア

『謎の独立国家ソマリランド』を読んで面白かったので、文庫本になっていたのを見て即買いした。

即買いして即読み始めたが、すぐに読み切るのがもったいないと思っていたらそのまま未読になってしまった。このテーマで書き始めて未読だったことを思い出した。

ソマリアはアフリカ東部の国だが、内部は3国に分裂している。南部が国際的に認められている旧イタリアの植民地だった「ソマリア」で、あとプントランドソマリランドに分かれている。ソマリアは崩壊国家となっており、外務省が退避勧告を出しているくらいで、日本人にはほぼ馴染みがない。「他人がやらないことは無意味でもやる」をモットーとする高野さんだからこそ選んだテーマであり、毎回ハチャメチャで面白い(まだ途中だけど)。

本にカバーをかけたらどの本かわからなくなり、そのままに。早いところ再発掘しなくては。

 

4,Raymond Chandler "The High Window"

これは洋書も日本語訳も途中。読むと睡魔が襲ってくる。

チャンドラーは"The Long Good-bye"から始めて3冊読んだ。巧みな情景描写とウィットに富んだ会話が魅力なのだが、集中力がなくなるとすぐに眠くなる。

主人公フィリップ・マーロウが大富豪夫人から特別な金貨を取り戻すように依頼されるという話。チャンドラーの特徴なのだが、登場人物や事件につながりや必然性がないケースがあって、途中で「こいつ誰だ?」となることがある。なんとか読み進めているが、殺人事件が発生して、金貨が出てきて、依頼が取り下げられてなんだかわからない展開になってきた。

"The Little Sister"もそうだが、筋を追うとかえって読めない。適当に会話を楽しむくらいがちょうどいい。ただ英語力が課題になる。

睡眠導入剤にはいいんだけど。

 

本を整理していると他にもいろいろ出てくる。『山と渓谷』のバックナンバーなんかは分厚くて困る。この際処分しようかと思って開くと意外と隅から隅まで読んでいないことに気が付いて処分を躊躇ってしまう。

山岳雑誌を見ているとALONE ON THE WALL"という本も未読であることを思いだした。これも読まないと。

そんなことをしているから部屋が片付かない。