クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

結婚、決闘

先週は珍しいメンバーで飲み会をした。
いずれも社内で、年の順に今年40になる先輩、私、29の後輩2人。29のうち1人は男、1人は女という構成。
年頃というにはもう40の先輩や私は過ぎているが、話題はどうしても結婚ということになる。

飲み会の紅一点は30の鐘を聴く前に少し焦り出したのだそうだ。
「私、そんなに高望みしませんよぉ。年も上は15までならOKです」
とおっとり話す。結構広いねぇ。それならたくさん候補は出そうだ。
「年収は私より上ならいいです」
まあね。金銭的に頼られるのはちょっとと思う気持ちが働くのだろう。
「太ってる人は嫌です」
彼女自身は美容意識が高いから、付き合う相手もデブは嫌なんだろうな。
「あと身長は172cm以上で」
彼女は164cmと言うから、ヒールを履いても彼の方が高くなるにはそれくらいは必要か。ほぼ平均くらいではあるね。
「それと私を好きでいてくれる人」
追いかけるより追われる方がいいらしい。女性は追われる方が好きなのかも。
バツイチは…うーん、やっぱり嫌かな」
そうなんだぁ。そんなもんかな。

それぞれの条件は確かに厳しくはない。
ちなみに彼女の容姿については、入社当時社内で少し話題になったくらいなので、結構点数は高いし、仕事も一生懸命だ。
それならこの条件に合致する男を見つければ万事解決するわけなのだが、そうは簡単に事が進まないので困っているわけである。
「なんでこうなっちゃうの」と感じているのは本人が一番だろう。

その場にいた私を含めた男たちが感じたのは簡単なようで見つけるのは難しそうだということだ。
そもそも条件が複数ある中で、全てが「または」ではなく「かつ」になっている。
まず相手は未婚じゃないといけないが、三十代なら40%くらい。
身長172cmは平均よりわずかに上。30歳前後なら50%くらいかな。
年収は平均ちょいくらいあればいい。ただ、年収を条件に挙げる段階で、前年実績があてにならない不安定な職業は望んでないので、もうちょっと絞られる。40%くらいとしておこうか。
それと、年収という条件は年下には厳しいから年上になってしまう。
ただし、三十代の平均体重は68kgくらいだけど、これだと小太りなのでちょっと探すのは手間かも。
これだけで5%は割りそうだ。さらに性格や容姿、金銭感覚なんかを織り交ぜると天文学的数字になるだろう。

「今、パーティー・パーティーというサイトでいろいろ見てます」
という彼女に男3人はそれぞれ、
「社内を含めて身近なところから考えてみたら?」
「合コン・街コンはあまり成果が上がらない」
「趣味仲間を当たってみたら?」
とアドバイスした。
中島みゆきの歌に「結婚」という歌がある。子どもが「結婚」と「決闘」という言葉を取り違えるというところから歌が始まる。最後は結婚と決闘は同じこもあるという話で終わる。ちょっと解しかねるオチだ。
ただ、結婚に悩むその29の女子には条件との折り合い、「決闘」が必要なんじゃないかと、同じく未婚の私は思ったのだった。