相方の友達が我が家に来た。
世界を股にかけ、イギリス、ニュージーランド他、あちこちを巡り、相方とはカナダで出会った女性。高校時代は槍投げの選手で、165cmの体躯で運動神経抜群。バイタリティ溢れる三十代だ。
そんな彼女は今ほどんど外出しない「ひきこもり」なんだという。
自称「明るいひきこもり」。「明るいひきこもり」の要素は何だろうか。彼女と話しながら考えてみた。
①仕事がある
「ひきこもり」をネットで引くと行政の自立支援のサイトが出てくる。
ひきこもり続けると生活が困窮するので、支援となるわけだが、支援を受けると「ひきこもり」が成立しなくなる。したがって、金銭的に誰にも迷惑をかけてはならない。
彼女は在宅で留学支援の仕事をしているようだ。コロナの影響でどうなるかわからないそうだけど、とにかく収入があってこそ安心してひきこもれるわけで、食うことができるというのが明るいひきこもりの第一条件である。
②目標がある
彼女の目下の目標は翻訳業でフリーランスとなること。
今や翻訳は自動翻訳が普及して単価がかなり低くなっているものの、映画や芸術系の翻訳はまだまだ難しいらしい。
とにかく前進。目標がないと今日と明日の区別もつかなあ。
③欲をなくす
彼女は今シェアハウスに暮らしている。シャワー、トイレは共同。電気、ネット込みで月5万円。
シェアハウスに住むということは大きな財産は持てまい。トランク1つ分の荷物しかないかもしれない。
しかし、物を増やせない環境にいれば、買い物に行く必要もなく、物欲に苛まれることもない。
身も心も身軽である。
まあ彼女はその穴埋めか、アニメと映画に没頭しているらしい。
より「ひきこもり度」が加速していく。
④健康に気をつける
元槍投げの選手なら健康体かと思えば、そうでもないらしい。最近、腰を痛め、さらに運動不足。
運動不足がひきこもり最大の難関である。
私も在宅で仕事をすると、どうしても座りっぱなしになり、腰に悪い。運動不足を感じると腹筋背筋やスクワットをやっている。ただ、本物のひきこもりはなかなか難しいだろう。
腰痛になると外出が億劫になり、「ひきこもり度」は上がるが、暗くなりそうだ。
「明るいひきこもり」への道は厳しい。
そんなこんなを書いたが、結局彼女は我が家に来て、丸一日しゃべり倒していた。
明るくひきこもりをやるにも、人と人のつながりを断つことはできないのだろう。