クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

観光旅行の罠ー長野・山梨

長野、山梨へ観光旅行に行ってきた。

この両県は北アルプス南アルプス八ヶ岳を擁するので、個人では登山以外で行くことはなく、観光メインなんかは初めてだ。今回は個人ではなく、まあいわばビジネストリップなので仕方ないというか、二万八千円也を会社に負担してもらい、どうもありがとうございましたという旅行である。


東京鍛冶橋で集合。バスが出発するや勉強会が始まるところがビジネストリップで、一応会社への建前上は研修なので有用な情報を持ち帰らなくてはならない。

首都高速は右へ左へうねっていて、気持ち悪くなるが我慢である。その後は各社の報告。

勉強会が終わりるやカッパえびせんなどのお菓子が配られた。

なんだこのお菓子は⁈


松本には昼に着いた。味噌蔵を見学してからの信州味噌定食。

豚汁とおにぎり、押し寿司2つ。シンプルな内容ながらなかなかお腹に溜まった。バス移動で運動量が少ないのに加えて押し寿司が見た目以上に詰まっているのだ。豚汁も具沢山だった。

次に松本城見学。

普通にお城見物なのでここで書くことはない。どうせなら昼を食べた店から城まで歩きたかったが、またもバス移動。城は結構階段が急なので、運動にはなる。どうせならこのまま1000メートルくらい続けたいところだ。残念ながら松本城は6階までしかない。

続いて時計工場見学と、まさに修学旅行みたいなコースを辿って諏訪湖にあるホテルへ向かった。

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ホテルの晩御飯というのはどうしてなぜどこでも同じようになるのだろう。どこかにホテルリシピ屋さんがいて、全国のホテルメニューを給食みたいに統括しているに違いない。

一口大の前菜に必ず鮪の赤身を含む刺身、茶碗蒸し。次に固形燃料を使った鍋、今回は豚しゃぶだった。最後に炊き込み御飯に味噌汁、シャーベットなどのアイス。

小泉武夫『不味い!』を読むとやけに旅館やホテルのご飯をディスっているというか、とにかく食いしん坊には許せないと言っている。椎名誠なんかもホテルの晩ご飯(朝ご飯もだったかもしれない)は嫌いだと書いている。

私は食いしん坊の時もあればこだわらない時もあるのだが、まあホテルのご飯はどこでも可もなく不可もなしだ。日本人の最大公約数的メニューと言えば良いだろうか。

今回のメニューで行けば豚しゃぶなんかがそれで、これならわざわざ諏訪湖で食べなくても良さそうなもので、しかし不味くもないので結局腹の中でぶつぶつ言いつつ食べるのである。

まあ宴会なんて酒があればなんでもいいもので、なんでもいい人向けのメニューと言えるかもしれない。私もその例に漏れないわけだが、あまり腹が減ってないので余計にそんなことを感じた。


2日目は簡単に書く。

バイキング形式の朝食の後、諏訪大社信玄餅で有名な桔梗屋で工場見学、勝沼近辺のワイナリーで試飲をして東京へ向かい、解散。

桔梗屋で私は「信玄餅アイス」を食べたかった。噂には聞いていたものの、なかなか縁がなかったので、ここは作り立て工場の味といきたかった。

しかし…しかしである。桔梗屋に着いたのは11時で、その後は昼食とある。アイスに手を出すと昼食を美味く食べられないのは明白だ。ここは泣く泣く諦めた(と言うのは大袈裟で、山梨にはしょっちゅう行っている)。

その直後の昼食はほうとう定食で、ご飯に小麦粉の炭水化物オンパレード。女性の中にはちゃっかり信玄餅アイスを堪能した人もいたが、ほうとうはかなり残していた。


私はここのところ観光メインの旅行をしてなかった。ほとんどが登山をして、時間があれば観光もくっつけるくらいだ。登山は有酸素なので普段の1.5倍くらいは食べられる。自転車旅行なら倍くらいに膨れ上がる。空腹だと食べることも倍くらい楽しみになる。

しかし、今回はバス移動。しかも運動する時間もない。最初は本気でランニングシューズとウェアを持ち込んで、早朝諏訪湖ランをすることも考えたが、初日は飲み会で午前1時就寝となり、翌朝部屋で足上げ腹筋を繰り返すしかなかった(これも同室の人からは奇異に見えたかもしれない)。

ただの観光旅行はどうしても「食い倒れツアー」になりがちだ。ただ、食い倒れるには消費カロリーが少な過ぎる。これでは美味しく食べることはできない。

今回の観光旅行の教訓は「不味いものは腹が減っても不味い。美味いものものも腹が減らなければ美味くない」。観光旅行を楽しむにはまだまだ道は遠い。