クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

学校の名前を売ってみたら

天気はまあまあなのに、足を痛めてなかなか走ることができない。仕方がないので家から少し離れた図書館に行った。図書館は小学校の隣にあり、公民館と併設されていた。

3月に引っ越してみて、少し驚いたのは学校名が番号になってることだ。「◯◯市立第三小学校」といった具合で、番号だけが変わるという素っ気のない名前が付いている。

私の地元にもそのような学校名はなくはないのだが、子ども心に「第二は嫌だな」と考えていた。東京はさすがに学校が多いので、第二くらいでは済まない。「第九」とかもあるので、子どもたちにとっても名前などに興味はないのかもしれない。


しかしなあ。「個性を大切に」とか言っている学校の名前に個性がないのでは説得力がないように思うのは私だけだろうか。「第◯」ってなんだか養鶏場の鳩舎番号かどこかの国の収容所みたいだぞ。

あるいはベビーブーム世代の頃ならドカドカ生まれる子どもを収容するくらいの感覚だったかもしれないけど、少子化で人工減少が懸念される現代ならちょっとは愛着を持てる名前にすればいいのに。


以下、思いつくままに書くので、本気にしないでほしい。あくまで「おちゃらけ、妄想」である。

どうせ学校の名前を変えるのならカッコイイかカワイイ方が良い。地名を付けるなんていうのはありふれている。

ではどうするか。

今やサッカー競技場に始まり、野球場の名称も企業の宣伝に使われている。学校もそれに倣ってみれば、収入も増えて名前も決まり万々歳だろう。大阪ドームは「京セラドーム大阪」、千葉マリンスタジアムは「ZOZOマリンスタジアム」、西武ドームは「メットライフドーム」という具合で、十数年前に不採算で悩んだパリーグに多い。

それなら学校でもエアコンを取り付けてくれたら「◯◯市立ダイキン小学校」みたいにしてみようか。企業名がバーンと出るのに抵抗があれば「◯◯市立うるるとさらら小学校」なら生徒からも支持されるだろう。なにせ今まで「第◯小学校」だったんだし。

でも「◯◯市立消臭力小学校」とかになったら他の小学校の生徒からからかわれるかな。「あいつらクサいんだぜ」とか言われて。


「◯◯市立クラウン中学校」とかならハイソな感じでいいかもしれない。実態がどうあれお金持ちの子弟が通っていそうではないか。卒業した彼らは免許を取ってクラウンに乗るのを目標に歩んでいくだろう。

「クラウン中学校」の隣に「◯◯市立カローラ中学校」ができたら部活の試合も盛り上がるだろう。きっと「カローラ中学校」は敵意むき出しで試合に挑み、サッカーや野球の日韓戦のような盛り上がりを見せるに違いない。(あくまでも、おちゃらけです)


本当に実施したら、その市の市長は「革命児」と呼ばれてもてはやされる一方で、「教育の現場に商業主義を持ち込むのは良くない」とか、「大企業優遇だ」とか、「不正の温床になる」という意見が殺到するだろう。

学校を卒業した少年少女はすぐに商業主義の渦中に飲み込まれていくわけだし、私立の学校なんかはある程度は自立採算(もちろん補助は受けているが)でやっている。市場主義を否定しては何もできないではないか。


しかしながら、学校名だけでは定期収入にならない。名前をコロコロ変えると生徒にも迷惑だし、愛着も湧かなくなってしまう。

それならもっとダイナミックに学校の各種イベントの名前も売ってみたら、収入も定期的に上がり、中小企業も参加できるだろう。

例えば「××商店街・大運動会」とかにしてしまう。昔は「サンヨーオールスターゲーム」、今は「マイナビオールスターゲーム」となっているのと同じ要領だ。学校名を変えるのはコストがかかるので、名称の使用料もある程度いただかなくてはならないが、運動会や音楽会ならゲートや横断幕くらいでいい。これなら使用料も安くできる。


さらに図書室を充実させたい学校なら本を提供してくれた企業に図書室の名前を売ってしまう。実験室の器具が必要なら…。

なんだかいくらでもできそうだ。

選挙のたびに「給食無償化」とか「体育館にエアコン」とかを掲げる政党や候補者がいるけれど、金の捻出方法をもっと考えてから主張してほしいと考える私なのである。