クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

米食う家

このコロナ騒動で大いに困ったのは突然店頭から米が消えることだ。ある日、突然、忽然と姿を消すので、文字通り右往左往して探す羽目になる。

我が家では平日3食とも米。パンは腹持ちが悪いので、朝食を5時に食べる私には力不足だし、昼は持参の弁当なので米じゃないと困る。夜は夜でパンや麺類というのも物足りないし、翌日の弁当のこともあるので、結局米を食う。1日、2人で三合くらいは食べるだろう。

したがって店頭から米が消えるのは死活問題で、今回のような事態では独り米騒動を起こさんばかりに焦る。

 

それでは皆々様がたくさん米を食べるのかといえばそうでもない。小学校の社会科で習っているはずだ。そして学校によっては「日本の食糧自給率を上げるためにもっと米を食べよう!」と教わるのである。

1人当たりの米の消費量は統計によれば1962年の半分になっているらしい。これは推測だが、戦後食糧事情が回復し、さらに1955年に電気炊飯器が発売されたことが米食を押し上げるきっかけになったのではないだろうか。

米は保存がきく反面、炊くのが面倒だ。私も自転車旅行やら登山で最初のうちは鍋で生米を炊いていたが、時間はかかるし、失敗の連続だった。ガスストーブは簡単なのだが、火力調整の難しいガソリンストーブを使ったときなんかは至難で、鍋の底は焦げ、真ん中は芯が残るという最悪飯を何度作るものの、もったいないから食うしかない。焦げた飯を食べるときほどわびしいものはないもので、料理の未熟な頃はおかずに頼ることもできず、一日の愉しみを一瞬で台無しにした自分が恨めしくなる。

落語でたびたび「飯炊き権助」というキャラクターが登場する。炊飯器登場以降は理解しがたくなったが、自分で火を使ってやってみるとわかる。うまく炊けるなら専門の人に頼みたくなるわけだ。

 

目下のところ、我が家では炊飯土鍋というものを使っている。

丸い球のような形をしていて、炊きムラが起きないよう工夫されている。蓋も二重になっており、吹きこぼれない。以前は普通の土鍋(鍋料理に使うもの)を使っていたが、どうしても炊きムラができるのでやむを得ず買った。

これで炊くと、これがまた美味いのである。ふっくらとして芯が残ったりしない。火加減をミスすると少し焦げることもあるが、基本的には沸騰したら弱火にするというくらいの操作で十分だ。5000円以上したが、卵かけご飯だけでも十分満足できる。

f:id:yachanman:20200415111158j:plain

 

そうこうしているうちに、店頭に米が戻ってきた。今回は一時の買い貯めで、ある程度経つと今度は買わなくなっただけだった。それに、外出自粛では腹も減らないだろう。

私はというと平日はじっと事務所で仕事をしていて、なかなか身体を動かす時間がなく、最近は土曜日も仕事に侵食されているというありさまだ。早く山に行くか島に行くかして、お腹を空かせたい。

いっぱい外で動いていっぱいご飯を食べるのがいい。

 

林家こん平「お米が~、うま~くて~、また食ったまた食った~」