昔、北海道で聞いた話。
「北海道に初めて来る人は車で旅行するんだよ。それで次はバイクになって、その次は自転車。最後は徒歩になる」
当時、自転車で旅行していた私はホンマかいなと思った。徒歩だと北海道はあまりに広い。1ヶ月あっても足りない。
しかし、その話は年を経ると真実だと思うようになってきた。自動車の慌ただしいスピードに感覚がついていけない。動体視力の問題ではなく、短時間では土地の空気に馴染めないのだ。
それは外界への対応スピードが年を経て遅れていくからだろうか。
人の時間への感覚は年々早くなるという。
1年があっという間、そのうち10年もあっという間になるのだろうか。しかし、それはそれでいいのかもしれない。
スローな旅をしてスローな人生を送る。それで楽しければいいじゃないか。