クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

蕎麦の力とうどんの力

いわゆるゴールデンウイークに深大寺へ行った。 なぜ「いわゆる」と付けるかと言えば、2日しか休んでいないからだ。

それはともかく、てくてく歩いて行ったら2時間以上かかって、大変腹が減ったので、深大寺名物の蕎麦を頂戴した。食したのは十割そばで、私はざる、相方は温かいもの。蕎麦の香りがなかなかいい。

ある蕎麦屋の前に深大寺蕎麦の由来が書いてあった。よくよく読むと深大寺の高僧が蕎麦好きだったとある。

「なんやそら!」

と思わずツッコミを入れたくなったが、蕎麦の栽培にも適していたことからと書いてあり、まあとりあえず納得することにした。

 

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関西出身の私は元来うどん派だった。

夏休みの昼食はうどんと蕎麦とそうめんのローテーションで、冷凍の讃岐うどんが登場してからというもの、うどんが一番手に来ている。

讃岐うどんの由来は弘法大師が治水工事などを行った際に村人に小麦を捏ねた汁をふるまったこととされる。おかずなしで多くの人が食べられるという意味で、麺類というのは有効だったのだろう。

腹持ちではうどんに軍配が上がる。関西はうどん屋に蕎麦がある方式なのだが、実利主義の関西だからだろうか。

 

蕎麦も美味いと初めて感じたのは、山形の田舎蕎麦を食べた時だ。

蕎麦は腹にたまらないのと、関西では小麦の多い伸びた麺ばかりだったので、敬遠していたが、山形で十割そばを食べた時は驚いた。もちもちして蕎麦の香りが強い。讃岐うどんに負けない歯ごたえがある。

こんなことを書いていると山形に行きたくなってきた。深大寺蕎麦も美味かったが、量が少ないのが恨みだ。帰りに蕎麦を売っている店の主人が「お兄さんなら2玉はいるよ」と言っていたのが頷けた。

吾輩は猫である』で、主人こと苦沙弥先生はうどんが好きだというのに対して美学者、迷亭は「蕎麦のうまさをわからぬ人ほど気の毒なことはない」と返している。

 

一体何の話だっけ。

いずれ讃岐うどんと山形そばの対決を書いてみたい。