クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

飲みニケーションはお仕事?

ここのところテレビでは地デジよりYouTubeを見ることが多い。そもそもテレビは週末にしかスイッチを入れないのだけど。

YouTubeディスカバリーチャンネルがあったので見てみた。日本の酒文化がテーマになっていて、なかなか興味深いし、英語のリスニングにいい。ちょっと発音が流暢過ぎる日本人が多くて、仕込みが入っているかもしれないが、まあ楽しいので許そう。

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内容は酒文化ということで、醸造所やバー、居酒屋なんかをはしごする。居酒屋なんかは確かに欧米にないので珍しいだろう。
ただ、それより面白いのが、シニカルな日本解説。
「日本人は仕事熱心で働き過ぎで死ぬくらいです」
過労死問題は笑い事じゃ済まないけど、
「なんで死ぬほど働かなきゃならんのか?」
と聞かれれば答えに窮してしまう。
「彼らは朝の8時から夜の10時まで働いています」
それは大変だと思っていたら飲み会含むということらしい。飲み会は「飲みニケーション」として仕事に含まれるらしい。「ジンセイとは、仕事と酒とマイホームなり」のジャパニーズ・サラリーマンができあがりそうだ。
欧米から見ればますます謎が深まるだろう。
 
映像を見ていると、日本人は完璧主義で勤勉な民族だ。
ウィスキーを作れば、世界の種々の木を集めて貯蔵し(山崎醸造所)、カクテル用の氷を削ればダイヤの原石のよう。
完璧主義の代償となるストレスを酒で振り払い、翌朝は梅茶漬けをかき込んで再び仕事に出る。加減を知らない不可解な民族。そう描かれている。
一面、正しい。
日本人はすべからく懸命に働くべしと思っている。少なくとも学校ではそう習うし、それが正しい考えだと信じている。
しかし、今はどうだろう。ワークライフバランスダイバーシティ。「多様化」が新しい正義として生まれた。多様な価値観を認めることと、すべからく勤勉であることは相反する考えとなって、いろいろな歪を生んでいる。
その歪をどう決着させるかが企業経営者の手腕とも言える。これまでのように飲みにケーションは仕事だという考えも押し付けられない。
 
固い話になったけど、広島弁で言う「ええがい」にやるのがいいのだろう。
「ええがい」とは「いい具合」。適切なというより「テキトーな」という意味である。