クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

青年小屋でテント泊まったり②

青年小屋で昼寝をしたわれわれは5時くらいに起きだし、再び夕食の支度を始めた。まったりである。

準備をしながら隣のオジサンとおしゃべりをする。オジサンは京都から来たらしい。仕事は営業。梱包材を作っているメーカーにいるという。異業種、他エリアの人を話せるのが山のいいところだ。

オジサンが面白い話をした。

「動物園の動物は早死にしてしまうらしいです。なぜかと調べたらストレスで。自然では食事にありつけない日もあるのに、動物園では決まった時間に食事を与えてしまう。それが動物にはストレスになって早死にしてしまう」

なるほどいくら安全を確保し、食事をきっちり与えても、それらは動物にとっては「不自然な」ことになるらしい。

しかし、それは人間にも言えることではないだろうか。命が大切とばかりに危険なことを避け、引きこもっていては肉体的には安全でも精神的に危うい状態になってしまう。適度に危険と肉体的なストレスに触れてなければ、かえって命を縮めるかもしれない。

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編笠山から見る青年小屋

翌朝は頂上が霧がかかっていた。とにかく出発して上を目指す。

これまで2回登っているはずだが、まるで記憶がない。岩がこんなに脆いと思わなかった。ヘルメットを持って着た方がよかったなと思う。

小屋から1時間半ほどで頂上に。徐々に霧が晴れてきた。

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霧の晴れ行く赤岳

何にしても天気のいい山では気持ちが晴れる。きっと山に行く人は山で身を危険に曝しながら、命を伸ばしているに違いない。

私たちはテントで湯を入れていたアルファ米を食べ、しばらくのんびりしたら下山を始めた。