クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

小淵沢に行った帰りは「元気甲斐」

八ヶ岳権現岳からの帰りは再び小淵沢駅に下りてきた。

小淵沢駅は小梅線の始発駅にあたり、かつては賑わったそうだが、今その面影はない。ただ、最近リニューアルされたらしく、改札は2階になり1階には小綺麗になった土産物屋があった。

さて、小淵沢駅と言えばこれである。

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「元気甲斐」

知らない人も多いだろう。私は作家・原田宗典のエッセイに出ていたので知った。原田宗典がコピーライター・岩永嘉弘のアシスタントをしていた時代に駅弁の名前を付ける仕事が持ち込まれた。山梨の弁当ということでコピーライターの卵であるアシスタントたちがあれこれ案を出したものの、ロクなものが出ない。そこでボス・岩永嘉弘が出したのがこの「元気甲斐」で、原田宗典もさすがと思ったのだとか。

この「元気甲斐」はテレビ番組「探検レストラン」の企画で誕生したもので、愛川欽也伊丹十三安西水丸山本益博太田和彦錚々たるメンバーがかかわっている。発売時には遠く中国地方や東北からわざわざ駅弁を買うためだけに来るなど、大騒動になった弁当である。

 

その話題だった弁当だが、お値段1780円とちょっとお高め。2段のお重となっていて、一の重は京都・菊乃井が作ったということで京風、二の重は東京・吉左右がということで江戸前の内容。

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内容は写真のとおり。それぞれ炊き込みご飯とおこわが入っているので結構なボリューム。口に入れて「美味い!」というより上品で味わい深い感じである。山女の甲州煮はなかなかお勧めだ。

今はコロナのせいで、なかなか車内で堂々と駅弁を広げて食べにくい。私たちは、あずさの隣同士の席を取れなかったので、黙ってそそくさと食べ、そそくさとしまい、そそくさと水を飲んだ。

美味かったのだが、いわゆる黙食というやつで今一つ盛り上がらなかった。早いところわいわいとご飯が食べられるようになってほしい。