週末、天気が悪いので山道具の整理をした。古くなっても使えるからだんだん溜まってしまう。適当なところで新陳代謝が必要なのだ。
今回捨てたのは、ストックと登山靴二足。ストックはサスペンション部分が完全に壊れていたので未練はなし。
ただ、登山靴の方が厄介だった。一足はAKUのフィッツロイGTXというモデルで、買ったのは実に8年前。冬山登山一年生の時に履いたもので、4シーズン使えるという触れ込みのものだ。
現実には保温性は足りなくて、行動中はいいのだけど、停滞すると爪先が冷える。したがって、常時動かないといけないから、この靴のせい、というかお陰で随分体力がついた。
当初は雪山でしか使わなかったから、靴底は全く減らず、ビブラムソールの文字が読めるくらいだった。最近は雪の少ないところでも使ったので、多少消耗したが、きれいなものだった。
しかし、通常3、4年が寿命の登山靴。先だってMt.スポーツ石井の店員さんに「いつ壊れてもおかしくない」と脅されてしまった。
未練は残るが、思い切ってポイすることにした。
もう一足はSCARPAのシャルモGTXというモデル。
これはもったいなかった。履いた記憶があるのは、仙丈ヶ岳をピストン、早月尾根から剱岳、阿弥陀岳南稜で、いずれも夏。多分、あと数回は使ったけど、同時期に履いていた貰い物のSIRIOの靴の方が使用頻度が高い。
鹿島槍ヶ岳と五竜岳の縦走、八ツ峰キレットも駆り出したのはSIRIOの柔らかい富士登山用の靴だった。シャルモはソールの硬い、岩山縦走の専門靴なので大いに面目を潰したわけだか、理由がある。
単に私の足に合わなかったのだ。
二泊三日の剱岳最終日なんかは足が痛すぎて早足になってしまった。爪先が当たってしまい、登りはいいけど、下りが辛いという具合で、ほとんど出番はなかった。
買ってからもう7年。早めにメルカリなりヤフオクに出すべきだった。
これも経年劣化でいつ壊れてもおかしくないので惜しいけどポイすることにした。
もう使わないからと割り切って捨てたわけだが、登山の最重要装備はやはり靴で、その靴を捨てるのは思い出を切捨てるような錯覚に陥る。
しかし、感傷にふけり過ぎると捨てられないし、今はまだまだ次のこと(遊びだけど)に向かっていきたい。