クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

初冬の北岳に登る②~初冬のテント泊トラブル

肩の小屋で受付をした。1人1000円で以前の倍。コロナの影響で北アルプスでは2000円、南アルプスでは1000円が相場となっている。「諸色高直(しょしきこうじき)にて渡し賃は倍とせよ」という桂米朝の「地獄百景亡者の戯れ」に出てくる閻魔のお触れを思い出した。

今回、久しぶりに1人用テント。ステラリッジの1型を張ろうとする早速トラブル。ポールを連結するゴム紐がビロビロに伸びている。去年伸びていたので切って調節したのに、またしてもビロビロである。

なんとか押し込めないかやってもダメ。そのままスリーブに押し込んでもダメ。結局先っぽを外してゴムの先端を出し、30cmほど切って調節してなんとかテントは建った。

風がなくてよかった。

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トラブルだらけのテント泊

テントを張ったら2時前。とりあえず頂上を往復することにした。「明日でいっか」にすると明日は曇るということがあるのだ。気温は0℃くらいか。雪はあるものの、難所はなく歩きやすい。その分手を使わないので指先が冷たい。

写真を撮りつつ40分程で頂上へ。

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北岳頂上、奥に仙丈ヶ岳

頂上では写真を撮り、のんびり下山。コロナのせいか誰とも言葉を交わすことがないのがなんとも寂しい。

戻ってテントに潜り込み、湯を沸かす。ここで再びトラブルが起きた。プリムスの小型ガスストーブを使っていたが、異常に火が弱い。バルブを全開にしても変わらない。

これはピンチだ。水場は既に涸れ、雪を溶かすしかないのに火が使えないとアウト。最悪小屋で水を買えるが、なんとなく避けたい。

弱い火で湯を沸かしていると、当然時間がかかる。鍋から手を放していると、風にはたかれたテント生地が鍋に触れてまだぬるい湯をぶちまけてしまった。

冬のトラブルは怖いことが身に染みた。

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