今、会社で冬場のノーネクタイが議論になっている。いや議論と言うべきか。突然、トップが言い出したらしい。これまで服装にうるさい人だっただけにどういう風の吹き回しかとみんな疑心暗鬼になっている。
そもそもネクタイとは何か。諸説あり過ぎてよくわからないのだが、フランス・ルイ14世がクロアチア兵の首に巻いているスカーフに興味を示したとか。
迷惑な話である。防寒の用も成さないものがやがては正装となって、クソ暑い日でも汗をダクダクにして苦しむことになるのだから。
しかし、いったんこれが正装となると、特に日本人はネクタイなしでいられなくなる。強い信念があるわけでもなく、「はみ子」になるのが怖いのだ。したがって、「クールビズ」も冬場のノーネクタイも多数派となれば大手を振って取り入れられる。
今度はネクタイをしていることに不安を感じるかもしれない。
さて、先日北岳に行った時は本当に服装がいろいろだった。
足元は厳冬期の靴から柔らかいソールのトレッキングシューズまで。中にはアイゼン等を持ち合わせなかったのか、1人は左足、もう1人は右足に着けて歩いている人もいた。ピッケルを持っている人もいたし、何もない人もいた。ヘルメットを被る人も少数だがいた。
装備が不十分で遭難してしまうと、「山を舐めている」という誹りをうけることになる。しかし、装備が重すぎても事故につながる。
服装の判断というところが登山装備第一の肝だったりする。その意味で、「登山の正装」は事故にならない範囲で、各々試行錯誤するくらいがちょうどいいのかもしれない。