クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

偉い人がやって来たら

某月某日さる都道府県知事がオフィスにやって来た。

知事だから普段見ない「偉い人」ということになる。それではどのくらい偉いのか。

例えば東証一部上場企業は2000社を超えるわけで、当然偉い社長が2000人超いる。取締役はその3倍はいるだろうし、子会社の社長やら監査役やら加えると1万人にはなるだろう。

教授、教師、医師、弁護士、司法書士弁理士建築士も「先生」と呼ばれるのだから偉いに違いない。ただ、これらも全部で何万人単位になってしまう。

知事は47人しかいないとなると希少という意味で偉いのだろう。

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Facebookを覗いたら、東南アジアのさる国で日本を紹介するというビジネスを行っている人がいて、その人が「大統領が当店にお越しになりました!」

とあった。すごいことなんだろう。ただ、その店がすごいのか大統領の腰が軽いのかわからなかった。

滅多に見れないという意味ではAKBのような「会いに行けるアイドル」より昔のアイドルの方が希少価値がある。しかし、容姿の良い子なんて一定割合でしかいないのだから希少性なんてそんなに変わらない気もする。

されば、数学者で作家の藤原正彦さんとか、税務官でクライマーのミック・ファウラーとか、2つ、3つのジャンルを極めているというのも偉い要素かもしれない。

元スポーツ選手でタレントなんていうのは珍しくないので、できるだけかけ離れたジャンルの方がいい。知事となると元官僚、弁護士、俳優、作家なんかは前例が多いし、俳優や作家は知名度を売りにして当選しているのだから、面白味に欠ける(もはや偉いという話でないが)。

 

オフィスにやって来た知事さんはお付きの方だかとともにフロアを巡られ、にこやかに挨拶されて帰られた。自治体の長も人気商売なのである。

世の中「偉い」人だらけで困ってしまう。

結局のところ自分は偉いと思わせない人が一番偉く見えるのは、そういう人の方が人に支持されやすいからだろう。