服部文祥さんの新刊『You are what you read.』を読み始めた。まだ最初なので感想は書けないけど、タイトルがいい。
「あなたは読んだものに他ならない」という邦訳はわかりにくいが、要は自分自身を形作っているのは読んできた本であるということだ。
誰しも自分は他人にないオリジナルな人生を送っていると信じている。
しかし、多くは前人未到というチャレンジをするわけではない。オリジナルの作品を作る作家といえども完全なオリジナルは作れない。物語などはありとあらゆる展開が使い古されている。
『ルドルフとイッパイアッテナ』という児童書を書いた斉藤洋さんはすでに物語の展開は全て作られ尽くしていることを察して、組合せのみで物語を書いたという。
人生はそれぞれのオリジナルのストーリーだとされるのだが、自分の人生が誰かの模倣でないと誰が言えるだろうか。
自分自身を形成するのは行為ではなく思考。自分自身の内面である。
ただ、それすら誰か影響力の強い人の考えに左右されている可能性もある。生まれてから死ぬまで親の考えの呪縛が解けない人も多い。
その意味で自分で自分の人生のオリジナリティを作りたければ、できるだけ多くの、様々な本を読んで自ら思考のレッスンを続けるしかないのかもしれない。