山メシ研究。
最後は有名な登山家が何を食べたか。実際にインタビューしたわけではないのでほとんど読書による知識の紹介。
①加藤文太郎~甘納豆
「山には煮干しを持って行きます」という人に会ったことがある。新田次郎『孤高の人』にそんな下りが出てくるのだが、どうやら煮干しはフィクションらしい。
実際には甘納豆を持って行ったらしく、「山には甘納豆です」という登山者に会った。私ももらったが、腹が満たされるというより空腹がまぎれる感じだった。
②植村直己~生肉
食べるものにこだわるようなこだわらない人だったようだ。北極圏ではサメの炒め物を美味いと言って食べていたが、他の人はしょっぱくて食べられたものではなかったという。
そんな植村直己はエスキモーたちに生肉食を学び、最後の山となったデナリにも持って行ったという。生肉は消化にエネルギーを使うので、高所登山では向かないとも聞くがどうなんだろう?
あれば食べ、なければ食べないという生活だと語っている。
山では夜カップラーメンリフィルを食べ、行動食はナッツ類と聞き、私も真似をしたことがある。非常に合理的なんだけど、単にエネルギー補給という感じもある。
かと思うとマルタイの棒ラーメンは好きじゃないそうだ。どういう味覚なんだろう。
角幡さんは作家なので自らの探検についてはいたるところに詳しく書いている。
北極圏 辛ラーメン
と2つの探検で大きく変わっているのは、軽量性よりエネルギーが重視される探検に切り替えたからのようだ。
アルファ米の方はともかく、北極圏料理は少し興味がある。ホッキョクグマの焼肉が美味いそうだ。気になる。
⑤宮城公博~生米
タイのジャングルを46日間彷徨した時は生米と豚塩をメインにしたらしい。
炭水化物オンリーで大丈夫かと心配になる。途中で魚を釣ったり、ヘビを狩ったりしているが、どう考えても栄養不足だ。
そのくせ沢屋は雪山でも焚き火と酒を欠かさないらしい。そのギャップが面白かったりする。
概して探検家・冒険家という人にグルメは少ないようだ。
大英帝国の礎を築いたのは海軍力でも冒険心でもなく食への拘りのなさだとも言われる。
そういう意味では私は失格だろうか。
ちょっとした冒険心くらいは失わずに生きていきたいのだが。