先日、職場でよくわからないお達しが出た。
「会話をしない時のマスク着用は自己判断で」ということなのだが、何を言いたいのかわからない。マスクを外す、外さないは自己判断としても、それを是とするか非とするかは周囲である。
なぜそんなお触れが出たかと言えば、上からの指示らしいのでこれ以上書くのは止すが、いちいちお触れを出す日本の特徴といえるかもしれない。
しかし、マスクを着ける習慣がこの2年でどっぷりと定着した。
2年前、コロナの流行り始めのころ、それほど意識の高くないわれわれは人混み除いてはマスクを外して歩いていた。すれ違う老婦人から「なぜマスクをしないのですか?」などとやんわり注意されたりしたこともある。
マスクに防毒性能があるわけでもないのに、一度着け続けるとなかなか止めにくい。この2年くらい、風邪を引くことも、花粉症がひどくなることもなかったのはおそらくマスクのおかげだと思う。
こうなると本当に外しにくい。
この間、奥多摩の川苔山などに行ったら、マスクをする人としない人で二分されていた。
暑いし、スポーツをしているわけだから、外してもよさそうなものだが、律儀にスポーツ用マスクかスカーフをしている人も多い。すれ違いも以前より距離を取る。
しかし、マスクをしろという貼り紙も少なくなったし、会話する人も増えた。ちょうど1年前の方がはるかに感染者数が少なかったのに、警戒感が強かったのだからわけがわからない。
そんな現状を見ていると、コロナも一種のインフルエンザ化していると言える。謎のウイルスから、ある程度実体のある感染症に2年を経て変わった。
しかし、最も変わりやすいのは報道や政府のお触れによってコロコロ変わる人の意識なのかもしれない。