クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

登山における下山後トラブル集

先週末の八ヶ岳登山は下山時にトラブルが続いた。

まず美濃戸口に下りてバス停近くにある八ヶ岳山荘で切符を買おうとすると「次、4時間後ですけどいいですか?」と訊かれた。

一瞬何のことかわからない。時刻は10時30分で11時台にもバスがあったと記憶していた。

「11時台は?」と恐る恐る聞くと、「最近なくなっちゃって1日2本なんです」と返ってきた。なんと冬でも営業している小屋のある八ヶ岳でこれか。

コロナ禍の影響なのだろう。結局、美濃戸口から徒歩で駅まで。道にも微妙に迷い、3時間半くらいかかった(バスなら40分くらい)。

過去も下山トラブルはいろいろある。

1番多いのがバスがなかった問題で、鳳凰三山から下山して青木鉱泉でバスがなかったことがある。この時は自分ひとりでなく連れもいて、タクシーで行くかヒッチハイクで行くか迷うところだった。

この時は「駅まで送りますよ」という心優しい登山者のお兄さんに乗っけてもらい事なきを得たが、不定期運行のバスは本当に困る。

「ちゃんと調べろよ」というツッコミが入りそうなものだが、その時は8月末の1週だけ運休という微妙な日程だった。

鳳凰三山で至福の後、トラブルに見舞われる

バスだけではなく電車でもある。

剱岳から下山し、アルペンルート信濃大町へ。そこから大糸線松本駅に着くと、中央本線が止まっていた。大月付近で豪雨ということで甲府から東京方面に行けないのだという。

振替輸送があるというので聞けば、松本から長野に行き、新幹線で東京へ行くというルートを指示された。「新幹線で帰れるならラッキー」というのが普通の感覚なのだが、この時は松本~長野間のローカル線がいかに凄い路線か思い知ることになる。

長野県の2大都市の間を結ぶ路線は山の間を通り、今や珍しい「スイッチバック」まである。これは傾斜がきつくて一気に登れない線路で、前進・後退でジグザグに登る方法で、言ってみれば富士山のつづら折りの坂みたいな線路になっている。

こんな路線なのに人はやたらと多い。われわれ同様に振替を使う人間だけでなく、制服を着た高校生や地元の人もそこそこいる。もうちょっと車両も増やせばいいのに(2両編成だった)。

劇混みの中やっとこさ長野に着いて、新幹線ホームへ。振替の場合、自由席しか乗れないという。指定席を追加で払ってもダメで、別の便を使うと普通乗車券から買わないといけないらしい。

そんなこんなで帰るのに9時間くらいかかってしまった。もしかしたら一番遠い山だったかもしれない。



今回の八ヶ岳登山でのトラブルはこれで終わらなかった。

スマートフォンがつながらず、下山を相方に報告できない。iPhoneがおかしくなったのか、電波'No Service'と表示される。

炎天下で美濃戸口から駅まで歩いても相変わらず'No Service'。暑さでバカになったのかと思っていたら1時間後にようやく数分だけつながった。

後で知るが、この日auの大規模な通信障害があった。おかげでしばらく行方不明になってしまった。

登山は下山後もよくトラブルが起きる。