今年は天候不順で、明日の天気も読めない日が続いている。
「降るぞ、降るぞ」と見せかけて降らなかったり、突然豪雨になったり。山の方ではかなり変化が激しい。山での悪天候はすなわち命にかかわるので、十分に中止の理由になる。気合と根性で乗り越えられないのだ。
こうなると「行くぞ!」と決めてもなかなか気重になる。さて、いつ出発しようか。
これまで幾度となく毎日アルペン号などの登山バスを使った。
これらは予約時点でかなりの緊張感がある。路線バスと違ってキャンセル料もそれなりなので、予約イコール山行決定となる。
その点でいくと当日の始発で行く場合は直前まで躊躇できるので、踏ん切りがなかなかつかない。直前まで予約ができるという状況でも迷いが生じてしまう。
登山の初日はどうしても寝不足になるし、登山は何より疲れるのだ(これを言っては仕方ない)。
これが3人以上だとゴネるのも良くないかと少々の悪天候なら行くことにはなる。中止しにくいというデメリットはあるが。
さて、どうしよう。
思い返してみると、行って悪天候ということはあった。ずっと雨でずぶ濡れになって震えたり、何も見えなかったり、軽い凍傷になったり。
しかし、行ってしまえば「ああよかった」ということが多い。というかそういう思い出しか記憶に残らないのだ。
昨年の屋久島も滞在した4日間ずっと雨だった。しかし、縄文杉周辺ではわずかに光が差したりした。南アルプス・聖岳では縦走する予定が、避難小屋に一泊しただけで雨に降られて撤退した。しかし、避難小屋での会話はそれなりに楽しかった。
記憶の捏造としか思えないが、これが山行の原動力となることが多い。
出発の勇気はどうやら記憶の悪さから来ているようだ。今年も悪天候もなんのその「えいや!」と縦走に出かけたい。