今週は日曜に出勤したので1週間が長い。ここのところキッチリ週末を休んでいたので、稼働日が1日増えると調子を崩してしまう。木曜にはもう週末間近の気分になっている。
考えてみれば昔は月曜日から金曜日までフルタイム、土曜日だけ半ドンだった。
かつての社会人クライマーは、土曜日に仕事を終えるとその日の夜行列車で土合駅へ行き、駅で夜を明かす。そして早朝に登り始め、日帰りで谷川岳に登って深夜に帰るという具合だったらしい。先日、一泊二日で縦走して、次の日家でのんびりしていた私と大違いだ。夜行列車があったとはいえ、気合の入れ方が違う。
週に1日しか休みがないのだから、死ぬ気で遊んでいたのだろう。
1965年ごろから完全週休2日制を導入する企業が増え、祝日はさらに多くなった。
よく「日本人は働きすぎだ、休まない」と言われるが、これは正確ではない。「自由に取れる有給休暇をを取らない」または「取れない」が正しい。
祝日はヨーロッパの国より7日か8日多い。要は各国との休みの差は有休の取り方であって、休日の付与日数の問題ではない。「みんな一斉なら休める」という呪縛から解き放たれないのだ。
有休取らない事例の典型は学校の教員で、聞けば風邪で休んでも「昨日は申し訳ございませんでした」と言ってお菓子を配るらしい。先生がこんな具合だと未来の大人は有休を取るたびに「申し訳ございません」になる。
1990年代、わが家がアメリカにいた時、私の父は病院の研究室にいた。
むこうの看護師は勤務時間がキッチリしていて、医師が仕事の途中でも帰ってしまうらしい。父が言うのは手術中に「バーイ!」と手を振って去ったのだとか。患者の具合より自分の勤務時間を優先するのだ。
休暇とは話が逸れたが、日本では考えられない話である。
今、週休を3日にしようと主張する人や政党が出ている。
おそらく週休3日にしてもはじめは混乱するだけで、慣れればそのまま流れていくだろう。稼働日が5日から4日に減ったから人員は1.25倍必要だとはならない。
労働時間が減れば賃金も減らさないといけないかもしれないが、休みが増えれば金のかからない遊びがもっと発達するかもしれないし、勉強好きな人は休日研究者になることもできる。
変化を起こせば、成功するにしても失敗するにしても学びがある。
そうだそうだ、変革だ、と独りで盛り上がってみたが、なかなか実現しないだろうな。
今は要は私が今のんびり休みたいだけなのだ。