クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

ここ10年'うつ'にならなかったことについて

先日誕生日を迎えた。三十何歳かになったわけで、持病はありつつも大病もせず感謝感謝である。

ここ10年を振り返ると精神的には危なかった時期がある。よくぞまあ乗り越えてきたものだとしみじみと感じた。

最初に危なかったのは三十代に入ったころ。前の部署に異動になってからだ。

詳しくは書かないけど、最悪の上司に当たり、最悪の日々となった。気分を紛らせるためにとにかく登山に埋没した。ある年は年間で24回山に行っている。土日出勤もあったので、ほぼすべての週末を山に費やしていた。

登山のいいところは油断すると死ぬかもしれないので、下界での嫌なことを忘れやすいということにある。数メートルの滝や岩場ならロープも付けないフリーソロで登っていた。

それと、仕事以外の価値観を携えることで精神的な安定を保てる。

いくら嫌なことを言われても、「この人は休み日にゴロゴロするしかないけど、私には白銀の世界が待っている」とか「あなたのそのお腹じゃ山には行けないですね」という勝手に上から目線を展開できるわけだ。

さらなる危機が訪れたのは今の部署になってから。今から3年前である。

無理な社内改革で半年ほど休みがほとんどなかった。こうなると山に埋没することもできない。

さすがに自分でもおかしくなっていることに気づいた。文を読んだり、検算をするような簡単な作業ができない。手元の書類をキャビネットにしまうことすら億劫になる。いわゆる'うつ'手前の状況だとわかった。

しかし、なんとか踏みとどまった。「こんなことになるのは忙しくし過ぎている会社が悪い」と開き直ったことが大きい。「なんで自分はダメなんだろう」などとこれっぽっちも思わなかったのだ。

上司からは「責任感が・・・云々」とか言われたが、細かいことを覚えていないところをみると、完全に無責任スイッチがONとなっていたのだろう。

 

以上、10年のやや黒歴史である。

その他は楽しいこともいっぱいあった。むしろ楽しいことだけで彩っていたいので、思い出したら時には本ブログに書いていきたい。