翌朝は隣のテントの音で3時半に目を覚ました。
テントの中はマイナス13℃。久しぶりの寒さがこたえる。アルファ米2袋を相方と交互に食べ、お湯を飲んで出発。文三郎尾根から赤岳を目指した。
トレースははっきりして、歩きやすい。前夜の風でトレースが消えることはなかったようだ。傾斜も大きくはないので、アックスは石突きの部分を使って登る。
今回はテント場を早く出過ぎたようだった。
頂上直下の岩場に差し掛かるまで、太陽の光が見えない。代わりに月は煌々と照っている。頂上に着くと、すでに2人が日の出を待っていた。
4人で風を避けた部分に立ち、寒さに足踏みをする。相方が「みんなトイレ待っているみたい」と笑った。
そして日が昇る。
この時間が登山を含めたアウトドアで最も良い。特に晴れている日は神々しさすら感じる。
寒いので日が昇ったのを見届けて、横岳方面に進む。
完全に太陽が出ると青空と白い峰。地蔵のある分岐から地蔵尾根を下山することにする。
久しぶりの雪山ですぐに指先が冷たくなり、やや大変だったが、風は弱く天候には終始恵まれていた。これから何回このような景色を見れるだろうか。