クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

ローマ人の寛容主義に学ぶ

最近になって歴史が面白くなってきた。

今は野口悠紀雄『世界史を創ったビジネスモデル』を読んでいて、特にローマ史が面白い。

ローマの建国は紀元前8世紀で、滅亡は東ローマ帝国ビザンツ帝国)で15世紀だから、空前絶後の長期国家だ。この仕組みを知るのは組織というものを考えるのに非常に有用であることは間違いない。

一言で言ってしまうと、ローマを支えたのは寛容主義ということになるだろう。多民族国家で地中海を囲む大帝国だから、反乱でも起きたらすぐに対応できない。軍事国家として成長したローマだが、意外にも抑圧的な政策を取らないことが、国家としての安定を築いたのだという。

このあたりは中国・清王朝が同じく寛容政策で大帝国を築いたのと似ている。

もともと大学では歴史学科などという何の役に立つかわからない学問をやっていた。その時教わったのは「歴史は科学だ」ということ。

歴史的事実の追究には限界がある。何しろ昔のことだから記録がないとどうしようもない。したがって、歴史学は起きたことを分析して原理や法則を発見することだというのだ。

ここのところ企業ではダイバーシティとかサステナビリティという言葉が多く言われているが、ローマはその2つを歴史的に実現したと言える。

その意味ではビジネス書を読むより、歴史を学んだ方がよほどいい気がしている。