クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

文系の意味、文学部の意味

週末は休日出勤をして文章を考えていた。もちろん仕事用の文章であり、お気楽に書いている本ブログやはたまた文学的なものではない。

自慢じゃないが私は文学部出身だ。

文学部というのは困った学部で、社会人になってわかるのが、何もできない学問だということだ。いや、何もできないと思われがちな学部。いやいや、何をさせたらい良いかわからない学部と言った方がいい。

自慢じゃないと書いた。困ったことに本当に自慢にならない。

 

私にとって最初の職場では電気工学と地質学の人が先輩だった。

次に本社へ行くと経済や法学が増え、経理では商学部、今は法学部出身ばかりが周囲にいる。どうやら「経理商学部だろ」、「会社法を扱うなら法学部だろ」という具合に配置が決まっているらしい。

その中で私は「文学部」というわけのわからんものを看板に掲げていたために人数合わせに使われたようだ。

それでは「文学部」がまったく役立たずだったかというとそんなことはないと思う。

最近も自分の専門外(何が専門家そもそもわからないのだが)の人事関連のことを書く必要が生じた。専門外だからこそ突き詰めて考えなくてはならない。何せこっちは素人なのだ。

ただ、素人・文学部が考えると、「良い社員とは」とか「良い会社とは」などの本質論にぶつかる。これに対して案外誰も答えていないのだ。文字化すると「この会社大丈夫かいな?」という疑問が生じるとともに、これまで曖昧にされてきた課題が見えてくる。

まあ、やるのはここまでで、解決策とかは専門家に考えてもらうしかない。ただ、文学部は何の専門でもない分、矛盾への気づきや長期スパンでの考え方ができると思う次第だ。

 

ひところ、人文系の学部廃止論というのがあった。

製造業に人文は必要ないということだろうが、人間は工業製品ではない。文系や文学部がなくなると、世の中は格段につまらなくなるように思えてくる。