クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

今の人になるか、過去の人になるか

ここ1年くらいChatGPSなどの生成系AIが話題になっている。

私は文学部で歴史を専攻するなど「生粋の文系」なのだが、こういう科学の話も好きだったりする。父親は工学部で相対性理論がどうのと昔から聞いていたので、その影響かもしれない。

このChatGPTのことは経済学者の野口悠紀雄さんがたくさん記事を出している。というか野口さんの記事で興味を深めた。

そしてこの方、失礼ながら年齢を見ると82歳である。

「今の60歳と昔の60歳は違う」という話を聞く。

かつては仕事を退職すると「余生」という言葉が使われた。やがて「第二の人生」という言葉に取って代わられ、今は60歳だと「まだまだ」。

私の父なども70歳でフルタイムではないものの、現役で働いている。

相方の祖父は92歳で最近になってスマートフォンを入手し、日々使い方を学んでいるという。これまでパソコンは問題なく使っていたので、それに比べたら簡単なのだろう。

「周りに若い先生がいっぱいるから、すぐ聞ける」とのこと。

年齢に比べて「若い」と言われる人は好奇心が強い。それと「今何をするか」を重視している。若い人ほど未来を考えそうなものだが、実のところ今しか考えないことこそ若者たる所以である。

 

クライマー・山野井泰史さんがグリーンランドの岩壁を登るというドキュメンタリーを見た時に印象的なことを言っていた。

過去の山行についてしつこく聞くスタッフに対して、泰史さんは遮るように

「振り返っている暇はありません。明日登れるかどうかです」

と言った。

そう、今何をするか、今何に興味を持つかが重要なのだ。