クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

野川公園のクワの実とホタル

先週、なぜか左股関節が痛くなった。帰宅中にスーツ姿で無理なダッシュをしたせいだろうか。木曜はのそのそ歩き、金曜、土曜と快方に向かったけど、無茶はできないので、日曜はワォーキングに徹した。

行き先は最近お気に入りの野川公園だ。

 

野川は普段水が少なく、側溝くらいの水量しかない。ところがこの日は先週の大雨で増水しており、いかにも「川」という感じに流れていた。たくさんの子ども達が水に入って網で何かを採っている。

そんな中、子どもじゃない年配のランナー2人が木を見つめて何かをしていた。

われわれも川辺で眺めてみるとクワの実だ。黒くなって熟れた実を見つけてつまんでみると想像以上に甘い。

「これ甘い」、「これはまだまだ」と騒いでいると子連れの女性が「何ですか?」と訊いてきた。子どもも「食べたーい」と言い、早速つまみはじめる。たちまちクワの実試食会が始まった。相方が「黒い実が甘いよ。赤いのはすっぱい」と教えるが、その子はすっぱい方が好きらしく赤い実を食べていた。

野川沿いにはクワが並木のように生えていて、今は実が熟れている。

クワの実をつまみつつ川沿いを歩いていくと、相方が葉っぱにとまる何かの虫を見つけた。

「これホタルじゃない?」

「うそー」

と見ると確かにホタルっぽい。スマートフォンで検索してみるとやはりホタルだ。

都内にクワの実が食べられて(食べている人はわれわれくらい)、ホタルがいるなんて思いもよらなかった。

 

かつては都会の真ん中を除けばこんな具合だったのだろう。自然の果樹があり、虫が遊び、魚が躍る。

今は田舎より都会の川の方がきれいになるという現象が起きている。多摩川などはかつて晴れの日は洗剤泡の立つ川だったらしい。水辺に無関心だったのだ。その後、浄化槽が整備され、川辺に人が戻り、最近30年で良くなった川の一つとなっている。

田舎では当たり前の自然に都会の人の方が飢えている。相方も私も比較的田舎の出身だが、都会に来てからの方が自然の中で遊んでいる。

今はシティボーイ、シティガールの方がアウトドア派になるのかもしれない。