青森県のサイトによると「原生的なブナ林」とある。そして「人為的な影響を受けていない」とある。つまり、白神山地が世界遺産となったのは人が立ち入らぬ地だったからと結論付けられる。
それを証拠付けるようにどこから行くにしても遠い。
今回のアクセスは高速バスにて新宿から秋田県の能代。そこから列車で白神岳登山口駅へ。能代と五所川原を結ぶこの路線は五能線と呼ばれ、最近駅でパンフレットをよく見る。「乗り鉄」というわけではないが、この路線に乗るのも楽しみだ。
バスが能代に着く直前、ふと「ガス缶入れた?」と相方に訊いた。すると「忘れた!」と言うではないか。今回の食料は生米にアルファ米。火がないとどうにもならない。
旅はのっけから風雲急を告げる。
バスを降りて1km先のコンビニへダッシュ。ガス缶をなんとか確保し、五能線に乗り込む。すると列車の外は雨で文字通り暗雲立ち込める。
ただ、白神岳登山口駅に着く頃には雨は止み、青空が広がっていた。訳がわからん。
林道を40分ほど歩き、ようやく登山道へ。時折木道も敷かれていて、丹沢か奥多摩のような人口密度の高い山と遜色なく整備されている。
ブナは広葉樹で、葉が丸い。関東近辺の山は針葉樹が多く、葉が細くて光を通さない。それと比べるとブナ林は明らかに光が多い森だ。日が差すと足元まで明るい。
この日は頂上の避難小屋に泊まる予定だった。何とか日没までに着きたいと思っていた。