クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

白神岳避難小屋へ〜白神山地を見に行く②

白神岳登山口から、われわれはブナ林を機嫌よくトコトコ歩いて行った。

白神岳の頂上に至るには2つルートがある。1つは二股コースと言って沢沿いを歩き、最後に頂上へ直登する。もう1つは蟶山コースでこちらが一般ルートとされる。「蟶」は「マテ」と読み、まて貝を指すらしいが読めやしない。

前日まで大雨だったようなので、沢沿いは止めて蟶山コースを取る。しばらくすると最後の水場があり、そこを過ぎるや雨が降ってきた。通り雨のような気もするが、寒いのでレインウェアを着こむと今度は本降りになった。

 

白神岳はわずか1200mほどだが、日本海に面した豪雪地帯だ。森林限界は1100mくらいだろう。そこを過ぎると時折海が見える。

ただ、すぐに海は再び雲と霧に覆われ、小雨が降り注ぐ。この日は夜までずっとこんな具合だ。

ただ、この雨こそが豊かなブナ林を築くのだろう。寒いけど。

頂上稜線に入ると大きな三角屋根が見えた。

「おお避難小屋!」と思ったらそれは立派なトイレで、避難小屋はその奥、トイレよりやや小さな建物だった。

(つづく)