クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

台風の前に岩手山に登る③

岩手山2日目。

結論を言うともう下山しただけなので書かなくてもいいくらいだが、コースとしては面白かったのでご紹介。

平笠不動避難小屋に泊まったわれわれは再びお花畑に戻り、七滝コースを下山した。このコースは砂の稜線を下り、大地獄谷という硫化水素が噴き出すエリアの脇を通り、いくつもの滝川沿いを下りる。

最初の関門は砂の稜線。難しくもないが、細いルートでスリルがある。途中、硫黄が溜まっていてヌルヌルして歩きにくい。

そこを下ると大地獄谷。小さな立て札にはわざわざOJIGOKUDANIとルビが振っている。立山の地獄谷ほどの規模感はないが、噴煙の近くを歩くスリルがここでもある。

この日は1500m以下は雲に覆われていて、下るほどに霧が濃くなっていた。ただ、懸念されていた台風は来ず、頂上付近は晴れと曇りを繰り返していた。こうなると下山はやや悔しい。

そうは言っても下ると決めたら仕方ない。

川沿いを慎重に下ると滝をいくつか見ることができる。七滝と言うから7個くらいはあるのだろう。立派な滝がいくつも眺めながらの下山になる。

ただ、硫黄が採掘された川だけにあって、魚の気配はない。

後で知ったが、この辺りに明治期に硫黄の採掘場があった。下の松尾鉱山では硫黄の精製を行っており、それによって鉱毒が川に流出。北上川は一時死の川となっている。現在は中和作業が進み、水質が回復したそうだ。

下山途中に木からどんぐりが大量に落下してきた。頭に当たると結構痛い。栗のでかいのかと思ったら栃の実もあった。

東北の秋はもう始まっているようだった。