クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

長所を見つけるということ

いつも隣に座っている後輩が今度新入社員のトレーナーをすることになった。

もうそんな年になったのかという感慨もさることながら、その後輩が入社したのはコロナ真っ只中で、新入社員研修もろくろくやってなかった時期。自分が受けていないものを他人に施すことは可能なのだろうか。

 

後進の指導の中でよく言われるのは「長所を見つけること」だという。

昨年亡くなった中西太というかつてのホームランバッターは「人の悪いところを見つけるのは簡単。いいところを見つけてあげないといかん」と言っていた。さすが、幾多の名打者を育てた人だけある。

ただ、長所を見つけるを見つけようにも自分自身の長所がよくわからんという人がそもそも多いように思える。

最近、自分の長所を見つけてみようと思う中で最も良い方法は「他人ができなくて苛立つことを見つけてみる」ことだと聞いた。

なるほど、早起きが苦にならない人からすると寝坊して遅刻する奴は信じられない。私が苛立つのは段取りを考えずに取り掛かったりする人を見た時だったりする。

本人は意識せずともできることは案外他人ができない「長所」だったりするのだ。

そう考えると「当たり前のこと」を当たり前にするというのが一番難しいのかもしれない。しかし、それを見つけるのはやはり難しいような気がする。