最近、川づくりに寄附金を出すという稟議書が会社で上がった。
川に親しむという考えは大いに賛成だ。都会の川は汚くて水に入る気が起きないし、いたるところに「危険」という看板が立っていて川に親しむどころではない。水のきれいな川ならどんどん入って遊ぶといいだろう。
しかし、いざ稟議書の活動案というのを見た瞬間、私は急に呆れ返ってしまった。
パワーポイントで川づくりの活動案として掲載されている内容を眺めると、そのほぼすべてが河原の草木伐採と整備となっていた。要は草木があって水に近づけないから切ってしまえというわけだ。
そもそも水辺に草が生えるのは当たり前。草木に虫が棲み、その虫を魚が食って生きている。それが川の生態系である。
なぜ草木を切るのかと思えば「景観が悪い」のだという。荒々しい水流や渓谷を作り出したのが自然なら、草木が生えるのもまた自然のなすところだ。その景観を良いとか悪いとか言って破壊することは許されるのだろうか。
シャワークライミングの邪魔になるから倒木を撤去するというくだりを読むに至っては脱力感に襲われた。川はプールじゃないのだ。
野田知佑さんが生きていたら怒るだろうし、きっとこう言うだろう。
「そんな奴は川に放り込め!」