十数年前の『山と渓谷』に白籏史郎さんのコラムがあって非常に面白かった。
「山でラジオを流して歩いている人がいますがどう思いますか?」
との質問に対しては
「山では川のせせらぎや鳥のさえずりを聞くべきであり、ラジオや音楽のような人工音を流すなど言語道断!」
と昭和の頑固おやじらしくバッサリ切っていた。
最近は私も何かを聞きながら歩くということはめっきり減ったような気がする。歩くときは歩く。走るときは走る。それぞれに集中したいというより同時に何かをすることができなくなったらしい。
ラジオは土曜日9時に家にいればFM横浜の"FUTURESCAPE"だけ聞いている。
毎週、何かを偏愛する人がゲストに来ていて面白い。生物学や「○○学」と名の付く専門家もいれば「片手袋研究家」なんていう人もいて、世の中いろいろな人がいるもんだと気づかされる。
わが家はテレビもほとんど見ないのだが、決まって見るのは「クレイジージャーニー」だったりと、やはり変な人を見ている人が多い。
変な人と思いつつも自分も十分に変人だったりすることに気づき、こんなに変な人で構成されている世の中はきっとまだ面白いものがあるに違いないと思ったりする。
ラジオは私にとって変な人の発見ツールなのかもしれない。