給付金の再交付が求められているらしい。
去年配った10万円を使って何かをした人は少ないように思える。事実、家計の預貯金は上がったというのだから、経済効果はあまりなかったのかもしれない。
まあ思うことは他にもあるけど、ここでは止しておこう。
先日「探偵ナイトスクープ」を見ていたら、10万円の給付金を激辛レトルトカレーに費やした男性が出てきた。なんでも激辛カレーを期間中に最も買った人には「激辛王」の称号の入ったガウンがもらえるのだとか。
すばらしい。しっかり、給付金を使っている。
「買ったものが食料品だから、給付金がなくても買っていたのでは?」
などと言ってはならない。
いい大人が紫色の趣味の悪いガウンを求めて必死になるというところがいい。
野田知佑さんは、『ユーコン漂流』で川下りの途中、村でカジノに寄っている。そして滞在最終日にルーレットで10万円ほど当てた。
物欲のない人があぶく銭を手に入れるとどうするか。
「こういうものは定期預金などにせず、できるだけくだらないことに使うべきである」
野田さんは酒屋に行き、一番高いナポレオンのブランデーを買った。そればかりでなく、酒を積み過ぎて乗っているカヌーが沈みそうになったので、食料を周囲の者に分け与えてしまう。その後、案の定食料は足りなくなったので、魚を釣り、鳥を打ち落とし、酒を知り合ったものに注ぎながら旅を続けた。
野田さんの真骨頂は真剣に遊ぶことだ。
予定調和に旅を終わらせる気がない。遊びはくだらないからいいのであり、真面目に遊ぶから楽しいのだ。
思うに現代経済の中心は無駄なことにある。
外食も旅行も無駄な支出だ。ただ、無駄なこと、くだらないことをしないと人生そのものを浪費してしまう可能性がある。