クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

勝負と食事とお金

藤井聡太二冠が最高勝率と最多勝利確実となった。

勝率0.846というのがすごい。ボクシングなんかだと無敗王者というのがいるが、将棋は勝率7割で一流。第一線の棋士を交えてこの勝ちっぷりだから、勢いだけでないのがわかる。わかると言っても手の良し悪しはさっぱりわからないのだけど。

手はわからないので、ネット記事や新聞で話題にするのはもっぱら「勝負飯」と年俸。藤井二冠の場合、年俸は4000万円。タイトル戦は名人戦竜王戦は3000万円を超えるという。

一方で勝負飯はささやかだ。昨日、この3000万円を目指す竜王戦の予選を戦った藤井二冠の夕食は冷やし中華だった。

別に話題にしなくてもいいようなものだが、将棋の手にも3000万円も実感がわかない一般人にはこれくらいでいいのだ。

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同じ棋士でも「ひふみん」こと加藤一二三九段が長らく鰻重を昼食の定番にしていたのは有名だ。好物ということもあるだろうが、毎回考えるのが面倒だったからかもしれない。昼に食べるものを考える力も勿体ないのだろう。

イチローの昼食はカレーというのも、昼食の選択を楽しむよりルーティーンを大切にするためのようだ。

このあたり、収入と食事内容が比例しないところが面白い。別に高収入だから高いものを食べているわけではない。「ひふみん」は高いものを食べているようだが、高いから食べているわけではなさそうだ。

 

ここのところ国会でも話題になる「ご接待」はずいぶん高いものを食べている。食った方が選んでいるわけではなく接待する側が選んでいるのだろうけど、そんなに高級なものは勝負には必要なさそうなものだ。

まあ接待の目的は提供した餌を相手に取り込ませることで、相手を意のままにしようという家畜的発想から出ているのだから、高いのは当然の話。自分の意図しないものを食べるから肝心の「勝負」で迷いが出るのだろう。

そんなことを言っても詮なき話で、今日も議員も企業人も互いに意図しないものを食べさせられ続けたいるのだろう。