クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

知床海鮮丼の中身は?〜北海道を巡る食旅②

今でもと言うか昔から各地で行われるデパートの物産展では北海道展が一番人気なんだそうな。「なんだそうだな」なんて言うまでもなく北海道が人気なのは想像に難くない。その人気の素はやはり海鮮であり、新鮮な魚介の刺身である。

網走で悪天候をやり過ごしたわれわれは網走からウトロまでバスで移動した。網走からはオホーツク海を左に眺めながら1時間40分ほどの旅となる。学生時代に自転車で来た時は、この寂しげな景色を1日中1人で走った。そしてたどり着いたウトロの手前、峰浜というキャンプ場では周囲に何もなく、かと言って買い出しに出る元気もなく、米に塩をかけて食べたことを思い出した。

もっともその直後に釧路からキャンプに来ていた3人組に焼肉をご馳走になるという幸運に恵まれたのだが、今回はコロナのせいか電車、バス、キャンプ場とも旅の醍醐味とも言える見知らぬ人との交流がないのが残念だ。

 

ウトロに着き、知床野営場にテントを張ったわれわれはウトロを昼食がてら散策することとした。ウトロは漁港であり、新鮮な魚を期待できる。

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知床丼


国道から観光船乗り場の方に歩いて行くと、多少ではあるが観光客向けの土産物屋や食事処が並ぶ。一番手前の店に観光客が入ろうとするのを見て、何となく入ってみた。

 やや素っ気ない印象のおじさんが応対してくれ、メニューを見る。メニューの中心は丼。相方はその中で全部乗せとも言える「知床丼」。私は「鮭親子丼」。ちなみに知床丼は2800円となかなかの金額である。

知床丼を相方に味見させてもらうと真ん中に入っている白身の刺身がウトロの特徴であることがわかった。これはキンキで、北海道ではメンメと呼ぶらしい。白身ながら上品な脂が乗っている。ホタテ、ツブ貝も非常に新鮮だ。

「なぜ入っている?」というのがマグロで、これだけが場違いな中身である。相方が「キミだけずいぶん前に死んでいたよね」と言っていた。

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鮭親子丼

鮭親子丼は期待通りというか想像通り。

1人前の量が多いのが北海道らしいところだろうか。今回の北海道旅は登山からスタートしているので、普段より食欲が増していて余計に美味い。

かなり贅沢な昼食になったものの、登山前には食える時に食っておくのが正解だと自分に言い聞かせ、店を出た後はオロンコ岩へ腹ごなしに出た。オロンコ岩はウトロ港の舳先にある謎の岩で、天気が良ければこれから目指す羅臼岳も見えるらしい。天気予報は曇り後晴れだったものの、どんより曇ったままだった。

こんな日こそグルメと観光日和なのかもしれないとわれわれはオロンコ岩を下りてキャンプ場近くの温泉に向かった。

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オロンコ岩の上より