クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

北見は焼肉の街〜北海道を巡る食旅①

休み明けに出社すると

「ずいぶん長い休みだったけど、どこか行ってきたの?」

と訊かれる。今年はコロナでどこも行っていないという人がどうも多いようでなんとも返事に困るのだが、嘘を言っても仕方がないので「北海道に」とだけ簡単に答えている。すると必ず

「いいな~」

と返ってくるのである。人にもよるが「いいな~」の半分くらいは「美味しいもの食べられて」というのが言外に含まれるところが北海道旅の特徴でもある。

それはともかく今回も北海道を美味しくいただいたので、それについて書いてみたい。

 

今回、大雪山からスタートした北海道旅。山中はアルファ米やラーメンを食すことになるので、下山したら体力を回復するべくタンパク質がほしくなる。道中2日目は北見に宿を取り、「タンパク質」を求めて街に繰り出した。

ネットを見るまで知らなかったが、北見は焼肉の街らしい。なんでも人口当たりの焼肉屋の数が日本一。肉も野菜も産地から近くて安い。

北海道と言えば魚介と思っていたわれわれは少々不意を突かれたものの、

「さすれば焼肉を喰わずしておくべきか」

ということで焼肉屋へ入った。

f:id:yachanman:20210827172815j:plain

「ラーメン屋は暖簾の汚い店が美味い」と聞いたことがある。焼肉屋もちょっと汚いくらいがいいのではと探したのものの、小さい店はお盆休みなのか軒並み休業。北見の街をひたすらウロウロしたが、四つ角に1軒くらいの割合であってかえってどこを選ぶか迷ってしまう。結局は宿からほど近いところの小綺麗な店にエイヤと入った。

 

 さてさて久しぶりの焼肉。とりあえずとカルビ、上ロース、牛タン、タコ、野菜盛を一皿ずつ頼む。ビールを一口飲み、息をつくとカルビが現れた。

f:id:yachanman:20210827173058j:plain

「うむ。うーむ」

思わず唸ってしまう。厚切り6枚でこれが1人前なのだ。しかもきれいな刺しが入っている。東京なら間違いなくこれで2人前で「特上」または「極上」とかとにかく派手で大げさな冠が付くだろう。

北見市観光協会が安いと触れ回っていたが、予想以上だ。

f:id:yachanman:20210827173151j:plain

そして上ロース。これまた厚切り5枚。

藁が敷いてあるところが「上」の矜持なんだろうが、東京なら「至高」とか「究極」とか付けて、お値段も恐るべきものになるに違いない。

 

最終的に締めのご飯物とかはパスしてものの、2人でビールを3杯飲んで会計は5000円しなかった。

恐るべし北海道、恐るべし北見。

昔、北海道での修学旅行の道中、「北海道に旅行へ来た人は1日いると1キロ太ります」とバスの添乗員さんが言っていたのを思い出した。果たして今回は太って帰るだろうか。