キャンプをしたいといろいろ調べていたら直火不可のキャンプ場が非常に多いようだ。ファイヤースペースがないキャンプ場で焚火をしたければ焚火台を持って来いということらしい。
この焚火台というやつはマイカーなし、マイホームなしの人間にはハードルが高い。我が家は極力モノを増やさないよう努力しているが、それでも住んでいると徐々にモノは増えていく。おまけに焚火台はあくまでオートキャンプ限定の品。
10年ほど前『山と渓谷』の10コマ漫画「でこぼこテッペン」で焚火台を友人宅から背負って帰ったということが自虐ネタとして載っていたように、基本的にこれは車に載せるものであって背中に載せるものではない。したがって、買うのはマイカーが先で焚火台は後。逆はない。
しかし、直火のキャンプはいい。火のはぜる音と川の流れさえあえばBGMは何もいらない。なんちゅうか北京原人に戻ったような気すらする。火の不思議を感じるにはやはり焚火に限る。
登山では焚火は沢登りなどを除くと難しくなるので、火器が必要となる。現在所有している火器は3つ。
・MSR ウィスパーライト・インターナショナル
・イワタニプリムス IP-2243
・イワタニプリムス IP-115
ウィスパーライト・インターナショナルは世界を旅する名品である。タンクと本体が別でホワイトガソリン・レギュラーガソリン・灯油・ジェット燃料も使えるという。基本的に世界のどこに行っても車は走っているので、レギュラーガソリンが使えるのは大きい。世界を放浪していたわけではないけど、こういう品は何となく心躍るのでわざわざアメリカで買ってしまった。
しかしながら、①本体とタンクを合体する、②ポンピングする、③小さな皿にガソリンを溜めて燃やす、④本体が温まったらバルブをひねって火を安定させるという手順は明らかに面倒だし結構音が大きい。
それとプレヒートを始めると炎が上がるので「すわ!一大事!」とかなり注目を浴びてしまうのだ。最近使っていないし、メンテナンスをしなくてはならない。
IP-2243はブタンガスを使った名品。静かで炎は安定しているので安心して見ていられる。IP-115は鍋を載せた安定感は少々悪いけど、とにかく軽い。
ガスはどれも簡単に火がついて、静かという点では共通している分、個性がないと言える。ガソリンは面倒くさいとか言いながら矛盾しているが、使うのに心躍るというわけではないのが残念だ。
カーボンオフやらやけにCO2が敵視されて、どうも息苦しい世の中になった。しかし、人類が火を使い始めて数十万年。火にはやはり人の心を安定させる力があるのだろう。
キャンプの時くらい火を見つめていたい。